時代小説『古着屋総兵衛影始末2』

元禄十四年、総兵衛に「赤穂浪士を討ち果たせ」という〈影〉からの命が下った。
しかし、武家諸法度にある喧嘩両成敗に反する下知に納得のいかない総兵衛。
〈影〉の命に背けば一族の命運は尽きる、さりとて……。
苦悩の末、赤穂浪士討ち入りに助力する決意を固めるが、その前に立ちふさがるのは、柳沢吉保とその刺客たち。さらには、〈影〉までもが!

柳沢吉保との第2戦!!


佐伯先生の時代小説は、史実に登場する出来事や人物と、創作に出てくる登場人物を上手く組み合わせるのが上手であること。
今回もその設定は活かされている。
赤穂浪士の討ち入りの前準備段階にて、偶然にも浪士の一人と関係を持った大黒屋が影の命令に、柳沢吉保の刺客とどうやって戦うのかが見もの。


敵が多い大黒屋総兵衛が張り巡らす、裏の裏を読みあう情報戦とそれを活かした先制攻撃と奇襲攻撃。
勝利をつかめるか分からない緊迫感の中で、最大限の能力を発揮する大黒屋の面々の絆の強さと、能力の高さが光る第2巻でした。
総合評価:★★★☆