咲-Saki-ではでていない、または今後ともでてこないであろう麻雀ルールの解説 その3

今回は第三弾となります。
今回はちょっと趣向を変えて、咲-Saki-に出て来ているはずなのに、説明スルーされている麻雀ルールについて解説します。


第9話 井上純の不可解な鳴きと不可解な捨て牌
まず、このシーン覚えていますか?

これは第9話『開眼』で福路美穂子が『あらら』と言ったシーン。
井上純の副露がとても不可解なことに気がついた、福路美穂子の一言。
さて、このとき井上純はどのようなことをしたのか。


まずはおさらいしてみましょう。

これが井上純の手牌
このときはそのままを捨てますが

その後に津山睦月の捨てたをポンします。
これはタコス女のツキを警戒して、牌を取る順番を変えたいためのポンです。
ということで、ポンした段階での手牌
  (ポン)
わざわざ取る順番を変えるために暗刻でもっていたをポンしてまで行った副露ですが、ポンすれば当然1枚捨てないといけません。
麻雀初心者や知らない人などからすれば、この中でいらない1枚を捨てるのに何を選ぶのかと聞かれればポンしたために浮いてしまったになると思われます。
しかし、実際に井上純がすてたのは

そうですです。
ということで、井上純の手牌はこうなります。
  
が本当に浮いてしまいました。
しかも、そのあとにタコスが捨てたをすかさずチーします。
     
これでまた一枚なにかを捨てなければいけませんが、このときにを捨てます。
ここでを捨てたときに、井上純が元々を暗刻で持っていたという事実が他の3人にも分かったのです。
まぁ、実際に福路はこのときに井上純が、副露をして流れを変える雀士だと言うことを理解したようですね。
いわゆる亜空間殺法と呼ばれるうち方です。
それで最初の福路のシーンは『あらら(この娘、亜空間殺法使い手なのね)』という意味だと思います。


さて、実際のところをポンするのは順番変更のためやむを得ないとしても、何故ポンしたときにをすてずにを捨てて、その後チーしたときにを捨てたのか?
麻雀初心者の方々には不可解に思った方もいるかもしれません。
単純に考えれば逆でもいいと思いますけどね。
さて、この現象ですが実は『咲-Saki-』において説明されていなかった喰い替えというルールに関わります。


喰い替えとは?
これは麻雀では一般的にチョンボ扱いになるルールで、ポン、チーした後に、捨ててはいけない牌を規定したルールです。
喰い替えには大きく分けて3種類あります。

1)完成している刻子を崩してポンしたときに、ポンで作ったのと同じ牌を捨てる
2)完成している順子の筋を変えるために、チーして順子の構成を変えるような牌を捨てる
3)完成している順子を崩してチーをして、相手から貰った牌と同じ牌を捨てる

今回井上純ポンは喰い替えルールの1)に相当します。

暗刻が完成しているのに崩してポンしてしまった⇒当然1枚だけ同じ牌が手元に残る⇒その牌をすてる

これを禁止しているのです。
実際のところ、こういう風にわざわざ暗刻を崩してポンして取る順番を変えたがる人も稀にいます。
私も実のところ不調のときに敢えてこういうことをすることがあります。
しかし、そのときに捨てる牌は必ずポンしたのと同じは牌ではありません。
それを認めたら、やたらポンポンするから敢えて禁止にそていると思われます。
今回の井上純も同じでタコスへのツキを落とすことが目的でしたので、敢えてポンしたのです。
なお、このルールで対象となる捨て牌は、ポンしたときの捨て牌に限られるので、井上が2回目にを捨てたことに関してはお咎めはありません。


つい初心者はやってしまう2)の喰い替え
どちらかと言うと、こちらのほうが本命です。
こっちは知らずのうちにやってしまうので要注意。
特に初心者は知らないことが多くチョンボになることもあります。


こちらは1)の刻子と違い順子に関する喰い替えで、筋喰いなどとも呼ばれるものです。
実際に例で見てもらうといいと思います。
例1

一応単騎待ちのテンパイです。
しかし、リーチをかけなければ役がありません。
ということで、上家がをきったのでチーをします。
  
これでを捨てればタンヤオがつきますね。
例2

この手牌で上家がを捨てたのでチーします。
  
これでを捨てれば三色がつきます。


しかしながら、例1も例2も喰い替えになってしまいます。
これがいわゆる筋くいと呼ばれる喰い替え行為で、主に完成している順子の反対側がほしいときによくやってしまう喰い替え行為です。
しかしながら、現在の麻雀ではこの喰い替えは禁止されているところが増えておりやってしまうとチョンボになります。
ちなみにセガMJ4では禁止されています。
ただし、筋喰い替えにおいても禁止されているのは、副露した際に捨てられる牌だけですので、井上と同様に2回目以降であれば捨てても問題ありません。


特に初心者は筋喰い替えはよくやるので注意してくださいね。

3)については説明は要らないと思います。
ポンと同じで、チーでも相手から捨てた牌と自分が捨てる牌が同じであってはいけません。