ライトノベル『迷い猫オーバーラン!6 拾った後はどうするの?』

迷い猫オーバーラン! 6 拾った後はどうするの? (スーパーダッシュ文庫)

迷い猫オーバーラン! 6 拾った後はどうするの? (スーパーダッシュ文庫)

大吾郎と珠緒のラブラブにあてられて、文乃、千世、希は羨ましいと思いつつ、まだ牽制しあうばかりの日々。
そんな中、夏帆の活躍で同好会は盛り上がっていく。卒業式を経て、同好会は卒業旅行を計画。
しかし、そこには夏帆の危険な思惑が。唯一、夏帆の策謀に気づいた文乃の孤独な戦いが始まる!?
同好会の命運はいかに。
文乃の親友、叶絵が投げつける課題に巧はついに、男の決断を迫られる!?

究極のヘタレ発動

今回は前回から復帰した夏帆の策略と、それに挑む孤独な戦いをする文乃。
この二人の妙な雰囲気に気がつく千世と希以下、同好会のメンバー。
この物語は乙女さん以外は感情を上手く表現できない連中ばかりだから、いつもいいところで上手く行かないものだ。
そのグダグダ感がこの作品の魅力でもあり、ダメなところでもある。
ここを上手くコントロールできているのか出来ていないのかわからないが、この6巻ではそれが大きく動いた。
良くも悪くも夏帆さんが皆を嗾けた結果と言えるだろう。
これで文乃、千世、希の気持ちにの爆発に、鳴子叶絵も巧を翻弄する。

基本、巧をめぐってのラブバトルなのだが、5巻までギャルゲーも尻尾を巻いて逃げ出す怒涛のハーレム展開に、正直そろそろ読者も飽き飽きしていたところだろう。
出版社側の陰謀か、作者の策略かはわからないが、粘りに粘った答えがこの6巻で出た(のか?)
その答えは・・・最初に書いた一文に収束される。
これの意味を知りたいなら、買って読んでください。


良いものも悪いものも、流れを一度断ち切ったこの6巻。
今までのとあわせるとそれなりに良く仕上がったであろうと思われる。
ただし、これでこの物語が終わるわけではない。

総合評価:★★★