ライトノベル『精恋三国志1』

精恋三国志〈1〉 (電撃文庫)

精恋三国志〈1〉 (電撃文庫)

まだ二十歳前の趙雲が流浪の武芸者として旅を続けていた頃。
卑劣な罠で瀕死に陥った彼を救ってくれたのは、優音という不思議な魅力を持つ少女だった。
地神・玄武の養い子という優音は、朱を帯びた亜麻色の髪と海のように深い蒼の眼という珍しい容貌で、幼さを多分に残していた。

なんか、公式の紹介長いので省きました。
この作品紹介では純愛路線で紹介されています。


古今東西三国志を題材にした作品は多くあるが、精霊とのラブストーリーというのが、この作品の大きな特徴。
著者自身が三国志大好きのようで、三国志の世界をふんだんに取り入れつつ、二人の恋模様を描く作品としては見事にできていると言いたい所だけど、二人が想いあうまでの過程がまだまだ薄いかな。
普通のライトノベルならば別にそれもありかもしれないが、この作品ラノベレーベル作品だが純愛要素が大きいので、これは致命的ではないかな。


主人公趙雲の若いころの物語として捕えるならば、そこまで悪い話ではない。
三国志の部分は土台がしっかりしているので、戦史的な部分は悪くない。
難しかったのはそこに純愛要素をミックスすることだったのかもしれない。
無理して決着付けず、ぼかしを入れて読者に二人の未来を期待させるなんとこともありなんじゃないかな。


あと、甘塩コメ子さんの絵はやっぱりいつ見ても綺麗だな。


総合評価:★★