日本のアニメ業界は衰退しました(笑)

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0901/28/news115.html

以下一部抜粋

「2010年以降、日本アニメの世界市場は縮小する」と、テレビ東京傘下のアニメ専門AT−X取締役/テレビ東京アニメ事業部長の経験もある岩田圭介さんは予測する。
日本アニメは世界市場ですでに「飽和状態」で、成長の余地が見えないという。「2010年以降、日本アニメの世界市場は縮小する」と、テレビ東京傘下のアニメ専門チャンネルエー・ティー・エックスAT-X)取締役で、テレ東アニメ事業部長の経験もある岩田圭介さんは予測する。
日本アニメは世界市場ですでに「飽和状態」で、成長の余地が見えない。

これは私も感じていた。
いつからということは分からないが、ここ10年以内には確実に日本アニメは世界に受け入れられなくなるのではと思っていた。
その原因は「飽和」「供給過剰」にあると思う。
これって、日本人は誰も彼もやっていますこと。
アニメと身近なところではライトノベル業界*1もにもいえる。
要するに
「売れるから、俺も私も」
という風に最初に続く傾向があるのだ。
これは何もアニメやライトノベル業界だけじゃない。
自動車だって家電だって同じ。
二番煎じがどんどん出てくる国ですよね。
こういった場合は最初はいいが、早く飽きが来て廃れるのも早い。
今、日本アニメ産業の衰退はすぐ目の前だと思う。

さらに、違法配信サイトや動画共有サイトの台頭が、地上波テレビを中心としたアニメのビジネスモデルを破壊。「日本でアニメを放送された翌日には、現地語の字幕を付けてネットにアップされてしまう」ため、日本で放送終了した作品を海外に販売するころには、海外ファンはすでにそのアニメを見ており、視聴率が取れなくなる。「成功の方程式――テレビメディアのビジネスモデルが崩れた」

これはありますね。
だいたい、今の日本での放送の12時間後くらいには、字幕なしがUPされていて、24時間もすると現地語の字幕付がUPされている状態。
現在、海外輸出ビジネスに依存しきっているアニメ業界は苦しいだろう。
しかし、やっぱり便利なほうが好まれるのは人間の性だね。
そもそも、TV放送というものがすでに生き残れない時代に入ったと思うのだが。

(1)地上波テレビが不況に入った(日本民間放送連盟加盟127社のうち、約4割の55社が08年9月期経常赤字に)
(2)アニメは視聴率が取れないため「キー局でゴールデンタイムに放送するのは不可能」
(3)アニメ単体でヒットする作品がない――など。

不況というのは、経営側にとってはなんともいたい話。
テレビ局にしてみれば「制作費が安くて、数字の取れる番組」がほしいところだろう。
その天アニメの場合、数字が取れないということはないと思う。
しかし、数字が取れる番組が少ないことは事実で、制作費の高騰が拍車をかけている状態だと思う。
そんな融通の利かない番組よりは、売れない若手芸人を使ったバラエティ*2や、テレビショッピングをじゃんじゃん放送するほうがいいのだろう。
アニメ単体でヒットする作品というのも微妙で、数字が取れてもヒットといえないのがアニメの痛いところ。
アニメに限らず番組はスポンサーありきだが、数字が絶好調でも打ち切り作品というのはアニメや特撮番組などには多々ある。

プラス要素として唯一挙げたのは、アニメを流すメディアが多様化していることだ。BSやCS、地上波デジタルなどで多チャンネル化が進んでいるほか、ネット配信や携帯電話向け配信も盛ん。「ニンテンドーDS」や「Wii」「プレイステーション 3」などゲーム機向けにもネット配信できる環境が整っている。 

傾向としては多ジャンルでの放送形態が整っているのだが、これもプラスだけとはいえない。
放送形態の増加は番組コンテンツの増加につながった。
そのため、放送する枠に対して圧倒的に番組不足となる。
人気放送局は客に困らないが、後発の弱小放送局は必死の様相だ。
そのため、早いサイクルで番組を作らないといけなくなるため、番組そのものの質低下を招くことになる。
良くも悪くもアニメを見慣れた日本人には、質が簡単に見極められる。
そのため、放送局やアニメ制作会社はひとつ質の悪い作品を作ったら、立ち直れないことだってある。

1月から、米国のアニメ専門動画共有サイト「Crunchyroll」で、「NARUTO」「銀魂」など「テレビ東京の最強コンテンツ」を、日本での放送の1時間後に有料配信。月額7ドルで、会員数は1万人を超えたという。

NARUTOなどは万単位のアクセスを集める人気作品だが、コンテンツによっては300アクセスしか集まらないものもあるという。
「『1本10万円で売れました』の世界とは違い、コンテンツの力で利益が上がる」と手応えも感じている。

これはうまい作戦に出たと思う。
アニメを長いこと育ててきたテレビ東京ならではの作戦。
特に日本の●●党や●●党の政治家とか、JA●RACとかはよく考えてほしい。
以前から思ってたが、強気で頭ごなしに、何事にも規制をかけていることが正しいとは限らないのだ。
某レコード会社がやった●CCDなんか、失敗だった*3と思うけどね。
あれは、CC●Dやったことにより、消費者がCDを慎重に選ぶようになっただけで、売れる売れないが明確に分かれたCD販売は激減することになったというのが私の考え。
まぁ、そこにi-tunesが絶妙に入り込んできたのもあると思うけどね。


今回のこのテレビ東京の作戦は、人の心理を見事についている作戦だと思う。
何事も人の心をつかむと、不況下でもバカスカ売れるんだよ。
先のi-tunesもそう。
違法コンテンツを見るのは「便利で早く、誰でもどこでも見れる」から。
しかし、違法であることは分かっている。
それをダウンロード禁止法*4で規制しようとしているが、そんなことしなくても売れる証明だ。


合法コンテンツが、「違法よりも早く、しかも綺麗に見れて、誰でもどこでも見れるる」なら、みんなそっちを見るに決まってる。
あとは、それを見るだけに見合った金額かどうかを設定すれば言いだけ。
いくらよくても高くしてはだめからからね。
テレビ東京は見事に人間心理を突いた作戦に出たのだ。
あとはテレビ東京外のコンテンツも取り入れられれば、一人勝ちも夢じゃないね。

日本では、地上波テレビのビジネスモデルがまだある程度健在とみており、国内でのアニメのネット配信には慎重だ。それでも「需給バランスは崩れ、枠が余っている。 タカビーで敷居が高いテレビではやっていけない。」
状況を悲観するのではなくチャンスととらえ、ほかの媒体と連携しながら新しいビジネスモデルを築いていく考えだ。

テレビ局が敷居が高くて高ビーなのはよく分かってたが、それを元テレビ屋が言うとは思わなかったね。
こういった人がアニメを引っ張れるなら、まだ日本も大丈夫かな。

*1:最近萌えとか、エロコメ、ハーレムラブコメばかりの作品が多いよね

*2:この手のバラエティも、最近番組の質の低下とか叩かれまくってますね

*3:やった当の会社は、「消費者に著作権の概念が固まりつつあるから解除します」なんて言ってたけど

*4:UPロードはすでに法的規制対象