電撃文庫が新たな賞を設定『メディアワークス文庫賞』

6月10日の電撃文庫の新刊に一斉に告知が入っていたが、電撃文庫を刊行するメディアワークスが新しい文庫大賞を設けることになった。
メディアワークス文庫賞』
と名づけられたこの賞は、どうやら電撃文庫よりちょっと大人向けの文庫を構成する賞みたいである。
詳細はこちら
世代を超えたエンタテイメントノベルル『メディアワークス文庫』2009年冬創刊
新規文庫レーベルとして創刊するみたいだが、内容的には電撃文庫を読んでいる一般的な世代である10代〜20代ではなく、もう少し上の世代を狙った文庫になる模様だ。
リンク先にもあるが『電撃文庫を読んで大人になった人へ・・・・』
とかいてある。
そういえば、以前に私はこんな日記を書いたが、
 2009年 ライトノベルはどうするべきなのか?−電撃文庫編− 
これで、ライトノベルの将来の展望として『業界最大手である電撃文庫が、もっと年齢層の高い世代に訴えていく』ということを書いた。
まさに、このことではないか?


前の日記から転載

では、電撃はどうするべきか?
これには答えはひとつしかなくて、「読者の層を広げるしかない」ということ。
つまり、今の電撃の読者は大体10代〜20代前半の男性に多い。
この枠をもっと広げること。
具体的には女性と、もっと年齢層の高い世代に訴えていくのが良いと思う。
まずは30代、そして40代だ。


そういった層に売り込みに行くのに、上記作品ラインナップではねらい目の範囲が狭いと思うし、作品点数も少ないと思う。
電撃文庫創刊が1993年。
老舗の角川スニーカーと富士見ファンタジア文庫が1988年。
初期の頃の読者は、ほとんどがライトノベルから離れてしまったのではないだろうか?
当時15〜18歳だった人も、今では間違いなく30代になってるでしょう。
この世代なら、電撃文庫のことをわかる人もまだいるはず。
もう一度、この人たちを呼び戻せるような作品展開をやったらどうかな?

この部分に私は電撃の進むべき道を書いたのだが、本当にそういうことを考えていたとは・・・。
実際にレーベルの新規立ち上げが1ヶ月やそこらでできるはずは無い。
おそらくは2009年冬ということだから、その1年前の2008年11月頃には計画していたのだろう。
だから、別に私の日記が引き金になったわけではないw*1
ただ、そういった考え方をしてくれるということは、電撃はまだまだ前に進もうとしている意欲があるということだ。
これはいいことではないだろうか。


さて、それでは実際にどんなラインナップになるのかが微妙なところだ。
いきなり10作品程度の作品をそろえるのだろうが、当面はライトノベルでもこちら向けと思われる作品』を電撃からこっちのレーベルに移すのではないだろうか?
個人的には『紅玉いづき』『芝村仁』あたりなんか、結構いい作品を書いていると思う。
また、『とらドラ』で確固たる地位を築いた『竹宮ゆゆこ』先生が新作を始めず、電撃MAGAZINEにコラムを始めたのが気になる。
おそらくは目玉として、このレーベル創刊時に新作を発表したりするのでは?
おお、偶然にも女性作家ばかりだw
また、いまは電撃で書いてない作家なんかも参加するかもしれない。、


いずれにしても、その創刊立ち上げが待ち遠しいメディアワークス文庫
はたして2009年冬、そしてライトノベル業界に旋風を巻き起こすか?

*1:ちなみに当該日記は2009年2月18日