ライトノベル『ラッキーチャンス!』

福の神のキチと一緒に暮らし始めて、なんだかちょっとずつ幸福になっていく雅人。小さいながら家を手に入れ、豪華な家財道具ももらい、憧れの二之宮さんには手料理を作ってもらって……。
でも雅人は忘れていた。自分が日本一不運な男だということを。そして毎月訪れる大凶運の日が近づいていることを……。

兄は人間なのか?
もはや、この一言に尽きる展開。
なにせ、雅人自身に『そういえば普通の人間だった』と忘れさせるほどの人間。
ごく普通の人間・・・・のはずだが?
今回、幸福の路を進んでいた雅人が一挙に不幸のどん底まで落っこちるのだが、物語上の展開としてはこの茶者の実力を否応無く発揮されていて、さすがと言えるところ。
だけど・・・どうにも物足りないのはなぜだろう。
いままでと同じ展開のはずだが、なにかが違う。


今回は雅人と兄の逃走劇以外に、意外と多く絡んだ天草さんと二ノ宮良子。
二人とも微妙な心境の変化が書かれていたり、合っていないはずなのにお互い意識しあう描写が良かった。


しかし、まだまだ物足りない。
それは物語が終わらなかったからですね。
最後の最後で続くよって感じで終わってしまった。
それで、後味が悪かったのか。
次を読んで初めて、導入部となる今回の評価ができるというところ。
次に期待しています。
評価:★★