ライトノベル『蒼海ガールズ!』

蒼海ガールズ! (GA文庫)

蒼海ガールズ! (GA文庫)

「きみはこれから女になる」
「え? え……えええぇ?」
 国を追われて海を漂流していた皇子シューフェンは、アラミス王国の軍艦ビシャスホースに拾われる。だが、少女ばかりの乗組員で構成されたこの船には、厳正なルールがあった。すなわち「男子禁制」。
 男とバレたら死刑になってしまう状況で、艦長から提案されたのは、持ち前の可愛さを生かして女のフリをすることだった! 少女たちから可愛がられたりセクハラされたりしつつ、果たしてシューフェンは自らの秘密を守りきれるのか!?

すごい設定の割には、まともだった!


国を追われた皇子が、国外逃亡中に海に投げ出され、偶然助けられた船が亡命予定先のアラミス王国軍艦だった。
まぁ、これは良いとしよう。
しかし、何故乗組員全員が少女なんだ!!w
しかも男一人に女200人。
さらには男子禁制のため主人公は女装する羽目に・・・。
もうむちゃくちゃでしょう・・・と思ったあなた。


この作品を甘く見てはいけない!


割とまともな帆船軍艦バトルなのだ。
女ばかり乗っているのは、アラミス王国の国内事情が絡んでいるのだが、その設定聞くだけではかなり強引だ。
しかし、物語に関わる上ではそれなりに辻褄があってしまうというか、上手に設定している。
まぁ、だからこんな強引な軍艦の乗組員設定も成り立っていると思う。


ストーリー的にも導入部から盛り上がる帆船バトル部分を経て、エピローグまで無駄なくスムーズに流れているし、キャラクターの掘りさげとキャラそのものの個性面に加えて、主人公達の第7班の面々の役どころがしっかりしており、それぞれが良い味を出している。
つまりキャラ、ストーリー、設定などが無駄なくバランスが取れているため、読みやすいしとても面白いと思う。
これなら、人にもお奨めできると思う。
最近のGA文庫では、比較的良作に入る作品ではないかと思います。

総合評価:★★★★