ライトノベル『IS3』

IS〈インフィニット・ストラトス〉 3 (MF文庫J ゆ 1-3)

IS〈インフィニット・ストラトス〉 3 (MF文庫J ゆ 1-3)

夏の臨海学校を前に気温と恋のバトルは急上昇!
魅惑の水着姿にくわえ、あの手この手のドキドキアプローチにさすがの一夏もチェックメイト!?
そして、ついに箒の専用機・紅椿がその姿を現す。
「私が天才の束さんだよ、はろー」
ISの生みの親にして天才科学者・篠ノ之束も登場し、物語はさらにヒートアップ!
そんな中、軍用IS・銀の福音の暴走事故が勃発。
一夏をはじめ専用機持ちの面々は事態の収拾へと向かうのだが。

主人公包囲網が着々とwww


最近多いこの手の作品だけど、ベタでありながら読んでいて飽きさせない上手なつくりをしているのがこの作品。
基本ハーレムは特定のヒロインとつながったりすることはなく、また揃いも揃って嫉妬深いのがお約束。
この作品もそうなのだが、なんというか凄く無駄がないハーレム作品と思う。
ハーレム作品そのものに無駄がないかと問われるとなんともいえないが、大筋のストーリーの中にあってヒロインのアノ手この手のやりくりが、非常に効率よく且つ繊細(?)に書かれている。
一見『ムリだろう?』とか『それはどうかな?』と思える展開もこの手の作品のお約束だが、そんな方向性も抑え気味。
ちょっと鈴パートが弱かったが、おおむねハーレム要員全員にそれなりに出番がありつつ、しっかりと物語の軸ブレがなくつつがなく進行している。
それでもってお約束ハーレム展開のオンパレードでやっていけるのが不思議なくらいだ。
これはもう作者の力量としか思えません。
3巻はセシリアパートが若干多かった*1が、みなさん魅力的に思えるし、それを成り立たせる一番の要素である、主人公の朴念仁ぶりになぜか苛立ちを感じないのは見事としかいえません。
3巻になって物語が安定してきましたかね。
次も期待します。

総合評価:★★★★

ところで、先ほどのけんぷファー11巻でも指摘しましたが、このIS3巻でも間違いと思える箇所があります。
最後のほうで一夏がアノ人にキスをもらいますが、それを目撃して驚愕した4人とそのシーンの挿絵の構図があってないような気がします。
挿絵は『箒』『セシリア』『シャルロット』『鈴』だったが、本文の展開からしてこれは間違いでは?*2
まぁ、面白いし、鈴の驚愕な表情が可愛いので、気にしないけど。

*1:なんかイジラレキャラと化していたが・・・

*2:本文から判断すると、このシーンは 箒、セシリア、シャルロット、ラウラ じゃないかと思う