ライトノベル『"文学少女"見習いの傷心』

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫)

「きみが大嫌いだ」心葉にそう告げられてしまった菜乃。
その日以来、心葉は本心を見せず、取り繕った笑みで菜乃に接するようになる。
そんなのは嫌だ! と、夏休み、菜乃はある行動に出るが……。
傷心の夏が過ぎ、秋。文化祭に向け賑わう校内で、菜乃はまた新たな出逢いを体験する。
不吉な影を背負った少女。彼女に関わる中で、菜乃は彼女の、そして心葉やななせ、皆が様々に心に抱える闇と光を見つめることになる。

今回も面白かった


劇場映画が決まったこの作品ですが、今回も良かったですね。
怪物は最初から怪物ではなく、人が怪物を作り出す。
それは物理的にはないということ。
ひとと言うものの恐ろしさを十分に味わいました。


それから、いくら何を言われてももめげない菜乃のまっすぐには凄いと思いましたが、あらゆるものを吸収していき、日々成長していく様子もとてもよく描かれており、相変わらず著者野村先生の分筆が冴え渡ります。


それにしても最後の最後でまさかの展開。
まさか、アノ人が再登場するとは思わなかった。
そしてまさか劇中のアノ人がアノ人だったなんて、これは文学少女をたくさん読んだ人も全く予想できなかったのでは?
一種の引っ掛けというかなんというか。


ななせさんも前に進んだようですし、心葉も成長した。
前述のまさかの再登場人物も含めて、これからが気になります。
しかし、本当の最後で『えっ?』と思うところで幕を引いたので、早く続きが読んでみたいです。


次回も期待します。
でも見習いシリーズは最後なんだそうです。
残念。

総合評価:★★★★☆