非実在青少年の条例改正にともなう動き

東京都の非実在青少年の条例改正に伴う動きをいろいろと。

都条例改正案討論 アグネス・チャンvs里中満智子(ITメディア)

アグネスもだんだん立場が危うくなってきたかな。
まぁ彼女は単なる広報と思っているが、本人含め彼女の所属組織なんでも一部の女性団体からも痛烈な批判を浴びたとか・・・。
問題なのは、次に出るリンク先を読んでから。

「ゾーニングの顔をした表現規制」「社会の自立の、行政による他殺」──宮台教授(ITメディア)

この方は、法令に関するあいまいさなどについて述べています。
まぁ、条例改正側のいい加減で『お前ら日本語話せよ。日本語書けよ』と思いたくなるような答弁や講義とはえらい違いようですね。


まず、この方の記事の前に一言行政側に言いたいことは『きちんと日本語で会話しろ』
まぁ、日本語を話していないわけではないですが、相手に伝わらなければ日本語ではないんですよ。
政治家とか、公務員の言葉使い、説明などは一般人にはちんぷんかんぷんです。
『如何に理解されていないか分かっているのか?』と聞きたいが、おそらく分かっているのだろう。
法律というのは、その分かりずらいところがいいのであって、分かりやすかったらそれは法律ではない。
ありきたりのなことを書き、述べて、するっとやわらげて攻撃をかわせること、それがすなわち公的文書であり公的人間の会話手法なのだと思う。
つまりは、いかようにも解釈できるというのが法律のうまい作り方なのだろうなと考えます。


この教授の言いたいことは、このあいまいな条文が、どれほどに危険なことを言っているのだろうということを政治家がきちんと理解しているのか?
この条文はいったい何が起こりえるのか、そして何がおかしいのかを一般の人に分かりやすく説明した物。


それで冒頭のアグネス女史の言葉につながるのだけど、アグネスの言葉はいたってまともな解釈だと思う。
でも、その解釈から生まれる条文がなぜ、この都条例改正案になったのかはよくわからんということ。
後半の里中先生の言うことはその部分だと思う。


この条文のあいまいさがよくないのであって、沢山の誤解を生み出している。
これについて、都議会側の説明もあったが、批判を込めた沢山の指摘を受けて気がついたから説明に入ったのではないでしょうか?
それで、私はいったいこの条例改正でなのを考えていたのか個人的に考えてみました。
まず、この条例は基本こう考えて作ったものではないかと・・・。

現行のアニメや漫画がよく売れている。
これを利用できないか?
  ↓
しかし海外では賞賛される一方で苦情も来る
  ↓
国際的に漫画などの産業を廃れさせるわけにはいかない。
しかし海外に嫌われる物を見られるのもまずい。
  ↓
国内で審査しよう。
  ↓
その為の天下り機関も用意しよう
  ↓
やばい物は摘発しやすいように法律も改正しましょう
  ↓
都条例改正しましょう

誰が考えたか知らないけど、それに警察と先の選挙で大敗して、まだ何とか維持している都議会までつぶしたくない旧与党の自民公明。
そして、いくつかの宗教系機関の考えが一致したように思えます。


つまり、条文改正側にはこの条例以下のように適用しようという考えがあったんではないでしょうか?

・公的審査機関の設立をしたい東京都(まぁ天下り機関ですね)
・法令を使って実績をあげたい警察組織(ついでに罰金取って・・)
・実績を残して、票を維持し次の選挙に勝てるようにしたい都議会議員
・この法令が児童ポルノ廃絶に役立つと思い支持する宗教系組織

たぶん、だれもが表現の大幅な規制につながるなんて考えてもいなかったのではないのでしょうか?
ちょっと手を加えて、実績を作りあわよくば金も入るという状況を作りたかったのでは?
ただ、東京都の関連者はこういったことのプロだと思いますので、まさかこの法令が大変なものだと気がつかないなんてことはなかったと思うんですけどね。
ところが、この条文に対し先の大学教授以下、表現規制につながると捉える業界関係者が続出。
これで、たぶん東京都関係者も自分たちのやってしまったことが、非常にやばいことに気がついたのでしょう。*1
このままではかなり汚点を残すことになること、そして業界自体が自粛行為で縮小し、産業そのものの衰退は目に見えるようです。
そして裁判がらみになった場合、名目上三権分立で東京都が介入する余地はありません。
そこでは、判事が決めたことに今後の線引きも一定ラインとして判断されかねます。
もし、それで自粛を余儀なくするような判決が出れば、本当に業界自粛⇒産業自粛となり、当初の目論見が果たせなくなることになります。
そして、判事がそれを決める基準は自分たちが改正したこの条例です。
だから、かなり焦ったと思います。
それで、 『条例に対して誤解を受けている』などと口走ってしまたのでしょう。
あわてて、誤解を解くような説明に入ります。
それで、『静ちゃんのお風呂シーンの問題』『わかめちゃんのパンチラ衣装』『クレヨンしんちゃんの例のシーン』とか、しまいには小説は対象外という理由説明をするようなことになります。
これで、何となく東京都側の考えが少し読めたような気がしたか、宮台教授の『"東京国際アニメフェア"を共催する東京都にとっても恥ずべき無理解の露呈になります』なんて言われたんだと思います。


まぁ、目で見て分かる漫画は別として、子供の風呂シーンやパンチラ程度まで規制すると、確かに本当にやばいことになるというのは元から理解はしていたということでしょう。
小説はポルノ小説でも日本語読めなきゃだめだし、理解力も必要だから翻訳されない限りは大丈夫と踏んでいたのでしょうね。


ハッキリ言って、甘いにもほどがあるわな



この日記には個人的な創造があり、実際に各関係者が本当にこのような考えだったかどうかはわかりません

*1:専門家が言ってましたが、憲法違反らしいですね