『WORLD WAR Z』

WORLD WAR Z

WORLD WAR Z

ジョージ・A・ロメロ監督が大きく発展させた、ステレオタイプ系のゾンビ関連小説。


巷で評判だったので手に取ってみましたが、久しぶりにいい本を読んなぁと思いました。
私はゾンビ映画や、そういった類には詳しくもないし、それにそれほど多く見ているわけでもないですが、それでもこれは面白かった。
これまでのゾンビものと比較して、大きな特徴ともいえるのが『ゾンビが出てこない』ことでしょうか・・・?
いきなり全否定ですがww
この作品"ゾンビもの"と謳っておきながら、本当にゾンビが出てこないんです。
珍しい部類の作品ですが、一体どういうことかというと、人類最大の敵として現れた『ゾンビ』との種の生存をかけた世界大戦に勝利した人類。
その世界大戦後に生き残った人たちの後日談を、インタビュー形式で綴るという変わった作風になってます。
ですので、回想とかでゾンビは出てきますが、あくまでもそれは生者からの口伝なのです。


インタビューされた側はあらゆる国の人、あらゆる人種、あらゆる職業と多岐にわたり、それぞれの体験やそれにまつわる話が飛び出し、深海から果ては宇宙までありとあらゆる場所から見た、人類vsゾンビの戦いが語られてます。
その一つ一つがフィクションであるにも関わらず、やけにリアルに読み取れます。
また物語もインタビュー形式とはいえ、その順番は『ゾンビ大戦前⇒対戦開始⇒人類の一時撤退⇒反撃準備⇒反撃⇒勝利』という流れをとっており、それが口伝であるにもかかわらず、流れをうまくくみ取りよくまとめられています。


2000円を超える本で500Pありますが文庫本ではないのでかなりの量です。
それでもその価値はあると思います。


総合評価:★★★★★

この作品、久しぶりで私のレビュー評価満点あげます。
これで4作品目ですね。