ライトノベル『女子モテな妹と受難な俺』

女子モテな妹と受難な俺 (ガガガ文庫)

女子モテな妹と受難な俺 (ガガガ文庫)

ある日突然モテ期がやってきた兄と、モテモテな妹の話。
著者は夏緑氏。
さすがに安定している作風。
ラノベでこういった作風を書く場合、この人は安心できますね。


この物語終始徹底して兄視点で進むのだが、最近はこの手の作風が受けるのか、兄貴視点で妹ものって多いような。
それとも前からかな。
この作品もその系統だけど、こっちはアレとは違って兄デレな妹の話なのだが、その妹自身が実はモテモテだったりして、そのために兄貴である主人公がいろいろ受難な日々をおうという話。
兄貴に突然のモテ期が到来したり、兄貴が仏像に興味を持つようになった理由、妹の中学時代のことに、妹の友達事情などが複雑に絡み合っているのだけど、裏で上手につながっているんですね。
その絡み合った糸*1がほどけてまっすぐになってくるに従って、その全貌が見えてきて物語がクライマックスに向かうけど、上手に絡めたその糸をほどくペース配分もさすがは夏緑といったところ。
最初から最後まで安定した作風でしっかりしていますが、外れがないように書いている節もみられなく無いので、お約束ごとも結構多いので展開が読めてしまう点もあります。
今までにない斬新さという点ではどうかと思いますが、悪くはないでしょう。


総合評価:★★★

*1:意図かもしれない