ライトノベル『レンタルマギカ 魔法使いの妹、再び』

クロエです。
最近私のキャラがだんだんと崩壊しているのは気のせいでしょうか?
前巻はとても典型的な腐思考の持ち主でしたが、今回もとても扱いがひどいのではないでしょうか?
銀の騎士団の正騎士にして、将来有望なこの私が活躍の場が与えられず、ただの穢れキャラとして扱われているのは納得できません。
銀の騎士団騎士総長ジェラードはすっかりイツキ様に骨抜きにされてしまいましたし・・・。
これはいけません。
もうすぐ始まる春闘では賃金改善要求以外に私のキャラの扱いの待遇交情・・・向上を要求しないといけません。


少々、愚痴を言ってしまいましたが、今回の作品の感想です。
今回は中〜短編の3本立てです。
『魔法使いの妹、再び』
タイトルの如く、あの人が1年ぶりの来襲です。
私は初めてお会いしましたが、なんともバイタリティあふれる方でございますね。
そして、なぜかこの方はアディリアさんがとても気に入っているようで・・・というより、私にはライバルというか、アディリシアさんを牽制しているというか、そんな風に見えます。
しかし、ここでの私の役どころは一体なんだったのでしょう?
アレではまるで●●●のような人に見えてしまいますね。
これも改善要求事項の一つとして、労使協議で訴えねばなりません。
しかし、あの方が『彼女』などと口にしたときは少々あせりましたが・・・・・・・


いえ、べ、別に私はイツキ様をそういう目で見ているとか言う事はございまん。
彼は有能な取引相手としてお付き合いをしていただいておりますし、彼を敵にするとジェラード総長の立場と期限が悪くなりますので・・・


ただ、イツキ様の妹を見る様相だけはどうにも気になりました。


『魔法使いの罰』
これは協会に派遣されているあのお二人の話です。
現在お二人は魔法使いを罰する魔法使いとして多忙な日々を送っているようです。
前回イツキ様が取りまとめた大魔術決闘直前の時期ですが、この時期には大量の造反者が出ているようでなんとも同情いたします。
しかしながら、さすが協会には多種多様な人材が豊富ですね。
石動氏はどうでもいいとして、まさか引退していたあの方が表舞台に再登場するとは思いもしませんでした。
もっとも引退していた理由にはもっと驚きましたが・・・。
そして副代表の登場も驚きましたが、とうとう出てきました。
だれが出てきたのかはご想像にお任せします。
ですが、今回は協会の魔法使いしか出てませんので、私の華麗なる活躍はありません。
これはいけません。
やはりレンタルマギカはわたしあっての物語と思います。
この辺も今度の労使協議では訴えねばなりません。


『魔法使いの思い出』
これは隻蓮さんの若い頃の話です。
つまり先代伊庭司のアストラル時代の隻蓮がウェールズに旅をしているときのお話。
そのときに出会った人との成り行きを語っていますが、もちろんその出会った人は生前のオズワルド氏。
そしてもう一方いらっしゃいます。
さらにとある方が出てきますが、こちらは隻蓮氏の運命の人といっておきましょう。
なんだか書いている私が少し照れてしまいました。
オズワルド氏にもう一方、そして隻蓮氏が織り成す物語なので、当然ながら魔法使いとしての戦いや魅力がたくさん語られていますが、私はあえてそれとは違う視点で見てみたいと思います。
それは人それぞれの愛の形。
ここに出てきた人たちの愛するものへの想いと、それの裏に存在するもの。
そしてその想われている人の想いというもの。
複雑に絡み合った色々な愛の形が、最後はとても悲しい結末を迎える出来事でした。
しかし、そんな悲しみのが合ったからこそ、今のアストラルを始めとした新しいつながりが出来たともいえます。
そうでなければ私もシツキ様と出会うこともなかったですし。
これは隻蓮氏とオズワルド氏、そしてあの方には一番に感謝しないといけません。


ですが最後に出てきたあの方は、何もかもぶち壊しましたね。
それは見事に・・・。
隻蓮氏もこの人だけは油断できないと言っておりました。
もしかしたらイツキ様最大にして最高の障害となるかもしれません。
というより、絶対に障害になりそうです。
イツキ様・・・銀の騎士団のためにも今のうちに削除、抹消、退場勧告しておくのが一番かと思います。
今度の労使協議ではここら辺を提案しないといけませんね。


今回の物語、私的には物足りない面がありましたが、大魔術決闘前の妙な雰囲気と緊張感を醸し出すには十分な内容となっております。
後はぜひとも私の華麗なる活躍を!出番を!


総合評価:★★★☆