震災の間接的影響がとうとう出始めた

さて、3月11日の震災の被害はとても凄いものでしたが、これだけの規模の震災につきましては2種類の被害と言うより2重の被害と言うものがあります。
ひとつは直接的被害で、もうひとつが間接的被害です。
1次被害、2次被害と置き換えてもいいかもしれません
実は直接被害と言うのは、目に見えるだけ世間の協力を仰ぎ、みんなで助け合いをする事が出来ます。
私も微力ながら多少寄付をしました。
こちらの被害も、いよいよ復興に向けて動き出した地域もいくつか出てきています。


直接的被害はとても恐ろしく、復興、被災者のケアもとても大変です。
しかしながら真に恐ろしいのは後述の間接的被害です。
今回はこの間接的被害について考えてみましょう。


間接被害が恐ろしい理由とは?
間接的被害が特に恐ろしい理由は以下が挙げられます。

1.目に見えない
2.直接被災するわけではない
3.影響が広範囲に及ぶ
4.影響が業種に関係なく多岐に及ぶ
5.震災直後ではなく、ある程度時間が経ってから襲ってくる
6.屋台骨をむさぼりつくす
7.間接被害が間接的に連鎖する

こんなところが挙げられます。
では、ちょっと事例をいくつか
九州の計画停電
これは、九州電力原発が再開できなかったために今後可能性が出てきたものです。
これの原因は言うまでもなく福島原発ですが、これがいわゆる直接被害。
そしてその影響をモロに受けたのが、今回の九州電力の夏場の計画停電実施可能性です。


JR西日本の間引き運転
電車の消耗品部品が、被災地で作られていたために起きた事例です。


この事例は被災地からかなり離れた西日本と九州で起きる可能性のある事例です。
両者とも原因が直接地震とは関係ないです。
対象になってしまった人も、地震の被害を直接受けた地域ではない人ですし、東北の地震でまさか九州までと思う人もいるかと思います。
そして、震災発生から約2週間経ってから出てきた問題点でもありました。
この内容では『2.直接被災するわけではない』『3.影響が広範囲に及ぶ』『5.震災直後ではなく、ある程度時間が経ってから襲ってくる』
これらが複合した事例です。


続きまして、こちらの事例です。
ヨーグルト生産量低下
工場が計画停電でフル稼働できないため、ヨーグルトの生産が間に合っていない事例です。


水用ペットボトル不足で水が製造できない
流通の関係でペットボトルの供給が追いつかない事と、昨今の水の買占め騒動で水の生産量が追いつかなくなっている事例です。


この事例は震災後からおきた遠因で起きた事例です。
やはり両者とも原因が直接地震とは関係ないです。
震災発生から約2週間経ってから出てきた問題点でもありました。
こちらは第2次産業と呼ばれる部類の事例ですが、じわりじわりと効いてきて、とうとう見過ごせない状況に追い詰められたと言う事です。
このまま進むと、第2次産業で作られる物で流通がストップするものが多数出てきます。
つまりは、これから起こりえる可能性が出てきます。
この内容では『1.目に見えない』『2.直接被災するわけではない』『3.影響が広範囲に及ぶ』『5.震災直後ではなく、ある程度時間が経ってから襲ってくる』
こんなところが関係しています。


それでは最後にこんな事例を。
消費税増税か?
復興支援のための国債発行
子供手当て廃止か?
高速道路無料化、1000円廃止か?
いずれも政府がたてようかと考えられている復興支援政策です。
言い方が悪いですが、ようは被災者を助けるためのお金がないので、これらを充てるということです。
この非常時ですから、これらもやむを得ないにしても、これらは『6.屋台骨をむさぼりつくす』と言う事になります。
被災者を助ける屋台骨の日本政府が、資金難で屋台骨がむさぼられて行くのは、どうしようもない事実。
特に元々国債を発行し続けて、なぜか債権国家である日本ですが、その実情はどうなんでしょうね。
その上、震災における非常時の出費です。
これも言い方が悪いですが、やはりこういったことがイツおこるかわからない以上、非常時に使える自由な財源が必要なのではないかなと思います。
また、先の第2次産業の間接的被害は今後拡大していくと思います。
食品製造だけでなく、すでに工業でも流通において原材料の確保が難しく、再開しても一部では計画停電
計画停電って2時間停電したら、工場も2時間の停止だけで済むと思っている人は、この日本はかなり多いと思います*1が、甘すぎます。
工場というのは一度停止すると、業種によっては復活まで停電時間以上の時間を費やします。
なので、2時間の停電は、その日の業務全てが止まる事になります。
また、この国の主力は第2次産業。
その第2次産業がぐらつくと、当然売り上げは落ちます。
そうなればその見返りの法人税は当然減額です。
これも『6.屋台骨をむさぼりつくす』のうちのひとつですね。
そして、その第2次産業で作られる物が止まれば、サービス販売にあたる第3次産業に渡らなくなります。
そうなると、それを買う消費者にも影響が出ます。
これがいわゆる『連鎖』ですね。


このように間接被害と言うのは、被災したしないに関わらず、誰にでも遅かれ早かれ回ってきます。
その速度はジワリジワリとゆっくりで、ある日突然にやってきます。
そのジワリジワリと攻めてくる様相は、人間の目に見えません。


これはある意味恐ろしい状態です。
『備えあれば憂いなし』とは言いますが、このような間接的なものとも日本人は戦わないといけません。
そして直接被害を受けた人々にも救いの手を差し伸べないといけません。
日本政府にいたっては、直接被災を受けた人を助けるのに加えて、こういった間接的被害にも対応できるようにしていかないと、本当に屋台骨がポッキリいってしまいますよ。
我々個人には、直接的な被害を受けた人に救いを差し伸べることが出来ても、間接的被害には対処しにくいところがあると思います。



今、日本と言う国の人、政府、経済、などが試されているときなのかもしれません。

*1:第3次産業が多いので、第2次産業の実態を知らない人が多いとは思うし、どうしようもない