新エネルギーについてその2

さて、数日前に将来は原発に頼らない日本の新しい発電方法について考えました。
そのときは悪魔でも電磁誘導(回転力)による新エネルギー発電について書きました。
前に『発電には大きく分けて2種類ある』と書きましたが、そのひとつが上記の電磁誘導による発電です。
今回は電磁誘導ではなく、もう1種類の発電方法についてです。


さて、電磁誘導(回転力)による発電と違い、今回扱うのは化学反応、もしくは物理現象を利用する方式です。
1.光起電力を使う発電
いわずと知れた太陽光発電を筆頭にした、光発電システムです。
太陽光発電システムは光起電力を使う発電方法ですが、今回光起電力については省きます。
要するに光を受けると、電気に変換する電池が太陽電池です。
電池と言いながら、実際のところは電気を溜めるのではなく、光を即電気に変換します。


一番クリーンで安全で、原理もそれほど難しくはなく、保守も容易なのでクリーンエネルギーとしては一番熱い視線が注がれています。
一番の問題はその発電効率
なんといってもかなり広い場所で展開する必要があることが問題です。
とにかくたくさんのソーラーパネルを用意しないと、とても原発の変わりになるような電力は賄えません。
それと、なんといっても太陽が出ていないとどうにもならない。
先に書いたとおり、太陽光は即発電型のエネルギー変換なので『光がない=発電できない』と言う事になります。
つまり夜は全く発電できないのです。
夜も電力は必要です。
電気を溜める事が出来ない以上、夜に太陽光の代わりをする補助発電は必要です。


2.化学反応を使う発電
電池を代表とするものが多いです。
要するに化学反応を電気エネルギーに変化するものですね。
乾電池等で行われているのは化学薬品を使うものが主流です。
構造が単純ですが、なにぶん発電と言われる能力になるととてもムリです。


そのほかに、触媒を使って行う発電もあり、燃料電池と呼ばれているものがあります。
これは主に水素と酸素を使うのですが、水を水素と酸素に分解する際に電気が必要な事は覚えていますか?
小学校で理科の実験でやりますよね?
いわゆる電気分解というやつですが、燃料電池はこれの逆をやっています。
つまりは水素と酸素を結合させる際に電気が発生します。
これを取り出すのが、燃料電池と呼ばれるものの基本的な仕組みです。
この方法、一般電池と違ってエネルギー源の供給があれば半永久的に使えることが大きな特徴。
また騒音が少なく、小型から大型まで幅広く使える事が分かっています。
発電所で発電となると難しいかもしれませんが、独立発電機関として色々な企業などで用意してもらい、その事業者の電力消費を抑えてもらうと発電所に負担をかけなくて済みます。
また、携帯電話、ノートパソコン程度のものであれば、かなり少ない量で発電できるため、充電そのものが必要なくなるのですね。
つまりは発電ではなく、発電使用料を抑えるための家庭用、企業用補助機関として配備させるほうに重点を置くと、効率が良くなるわけです。
しかも酸素は大気中にいくらでもあります。
そしてなんといっても結合した後にはCo2も出しませんし、万が一の放射性物質を撒き散らすなんてそんなことはしません。
結合して発電した後にこの発電機が放出するのはH2O・・・即ち"水"です。
なんというクリーンな発電ではありませんか。


ここまで書くと『なんかいいかも』と思いますが、やはり欠点と言うものはあります。
まず、結合の際に"水"を放出するのですが、水はいいのですが厄介な事があります。
それは"熱"です。
大容量発電は高温下での反応が必要ですので、この高温対策が必要です。
容量が低い燃料電池は比較的低温(とはいっても100℃近くだが)でも大丈夫だが、こちらの場合問題は"水素"にあります。
なにぶん水素がとても扱いにくい物質でして、ガソリンスタンドに行って給油とか言う分けには行かないのです。
常温で気体であり、酸素と結合しやすく、火気があると爆発。
しかも無味無臭なので漏れても気づかないし・・・
皆さんは浮く風船を手にした事があると思います。
あれ大抵次の日には萎んでいますよね?
あの風船にはヘリウムガスが入ってますが、ヘリウムは分子レベルでものすごく小さいので、風船ゴムの分子の目をすり抜けて、ジワリジワリと漏れているからなんです。
水素はヘリウムよりも小さいので、並の補完容器では抜けてしまいます。
なので、液体で供給や保管しないととても扱えません。
水素が液体になるには-250℃という極低温です。
水素はなんとも扱いにくい物質なのです。


3.帯電効果
摩擦などによって物質そのものに電荷が蓄えられる状態を利用する手です。
その状態からある日突然火花が飛び出すときがあります。
この現象一般的に"静電気"として知られています・・・が、実際には放電現象*1といいます。
静電気はその放電が起こるまでにおいて、物体に蓄えられていた電荷の事を指します。
ということで、この放電現象を利用するのが、帯電式電気利用です。
これは発電機もモーターも存在しますが、ビビたるものと聞いています。
一般的なモーターや発電と根本的に原理が違うので、私もどういう原理で動いているのかは分かりません。


静電気による火花放電ですが、その問題なのは電力。
あの静電気の火花は、実は相当な高電圧です。
しかし、人間は静電気で死んだ事は余りありません。
静電気放電で人が死なないのは、電流が低いからです。
なので、根本的にパワー(電力)がないんですよね。
摩擦帯電とかで出来た静電気を放電利用するパワーは、そこまで大きな電力が取れないのです。


ですが、世の中には上の上を行くものが存在するもので、この放電現象も大電流を放出するありがたいものが存在します。
『静電気の火花放電パワーでそんなに凄い物があるのか』と思うところでしょうが、意外と身近にあるもので、それは"雷"です。
あれは雲が摩擦で帯電して蓄えた電気が、絶縁破壊によって起こす火花放電です。
地球規模の静電気ですね。
しかし大自然の発生する偉大な現象は、大電流の火花放電としてエネルギーにすることは出来ます。
ただ、雷そのものが天候に左右される現象ですので、当てにするわけにはいかないというところでしょう。
しかし、上手く使えれば有効な自然エネルギーを利用したクリーンな発電となります。


さて、ここまで紹介しましたが、この中で我々人類が今後原子力の代わりとして使えるものが本当にあるのでしょうか?
本当に使える技術になるのでしょうか?
その答えは、これから出していくのかもしれません。


ここまでは一応現実に沿っていると思う内容でしたが(本当かどうかは各人で考えてください)、次からは未来に夢見て、ちょっとSFチック視点で、日本の電力事情を考えてみたいかと思います。

*1:もっと正確にいうと火花放電