僕はやっぱり気づかない

いや気づけよ!!


HJ文庫金賞作品。


主人公は退屈は好きで平和を好む高校生と、内緒で世界の平和のために闘う美少女3人が織りなす鈍感ラブコメ


ハーレムご都合主義にとって主人公が鈍感で気がつかないというのは、明らかな女性の好意に対する朴念仁ぶりがよくありますが、この作品はその方面以上に鈍感さが強調されている。
ヒロイン3人がいずれも特殊な能力者。
魔術師、超能力者、電脳戦士なのだが、主人公にばれないように密かに平和のために闘っている。
そう、これはその「おまえ、いくらなんでもこの人達はあやしいだろ』と思うところをスルーする鈍感ぶりが売りの作品。
ヒーローものにありがちな『なぜ正体に気がつかない』というキャラを主人公にしたもの。
ただし、ヒーローではなく、ヒロインですけどね。


そうなると、お約束の『ばれそうになった時の苦し紛れの言い訳』というものがあるわけですが、これが更なるこの物語のツボとなるわけです。
お約束としての『おなかが痛い』から、誰かと会話していたのを聞かれたために『腹話術の練習』。
魔法の呪文と魔術師の格好を見られた時には『某マイナーRPGのキャラコスプレ』とごまかしをくりかえす毎に、ヒロイン達がが主人公にとても痛い方向の残念な人と思われてしまうのが面白かったです。
特に電脳戦士の先輩美少女の痛々しさが際立ったww


ヒーロー(ヒロイン)も報われないものなのだ。


視点を変えてみたこの作品。
最後のバトル後のそれはまさに『これはいくらなんでも無理があるだろ!』と思いますが、それこそお約束ということで。


設定も上手ながら、物語もそれなりにうまく作っています。


評価:★★★