ライトノベル「放課後の魔術師1 オーバーライト・ラブ」

第12回角川スニーカー大賞奨励賞受賞作。
なお、「放課後の魔術師」と書いて、魔術師の部分は「メイガス」と読むそうです。
一年間じっくり熟成してきたという、作品ですが最初に目がいくのはイラストのほう。
ヒロインスカート短すぎ・・・(笑)


17歳の高校教師という奇抜な設定がちょっと新鮮だった感じはあったが、主人公は魔術師というこちらはお約束の展開。
しかし、この作品は視点がめまぐるしく変わるという、今までにはない斬新な手法で物語りに躍動感を与えています。
そのせいもあってか、中だるみになりそうなありきたりな設定や展開でも、勢いとかを感じて作品としては読みやすかったです。
新人の作品ということを考慮すれば、かなり完成度の高い作品ではないでしょうかね。


気になったのは、ヒロイン「遙」の設定はいいとして、その妹の設定ネタバレは早すぎないかな?
折角の設定がこんなに早くわかっては、今後の物語の展開上厳しいかなと思ういます。
ただ、これからもっとすごいことになるかどうかですが・・・・。
世界観がしっかりしているのはいいですが、かなり複雑で奥が深いみたいです。
これを活かせるのかどうかも今後のポイント。


それから主人公「秋津」は17歳の割には、かなり大人ですね。
30歳くらいの男性のような感覚です。
まぁ、17歳でももっと若いうちから色々経験すると、こんな17歳が誕生することがありますが、ここは主人公に感情移入する10代の読者層から同受け入れられるのか気になります。
私は、こういった「やたら大人びた若い男性」という設定は好きですけどね(笑)


久々にしっかりした作品を読んだ気がします。

評価:★★★☆