ライトノベル「藤堂家はカミガカリ」

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)

藤堂家はカミガカリ (電撃文庫)

第14回電撃小説大賞<銀賞>受賞者の作品。


日本とほとんど変わらないが、英力という力を有する人が暮らす世界「ハテシナ」。
そこの住人「ハテビト」の建代神一郎と天霧美琴が、ある日ハテシナの管理側から人間界のある少年の護衛任務を依頼され、人間界にやってくるところから物語がはじまる・・・。
その少年、藤堂周慈と双子の姉「春菜」が暮らす家に強引に住み込み護衛任務が始まるが?


まず驚くのは、その文章体。
今までにない「ものすご〜〜〜く」軽い調子の文章体だ。
内容もコミカル且つアップテンポですいすい進む、ちょっと軽めの本当の「ライトノベル」。
でも、時折まざる建代神一郎の想いとか、ハテビト同士の壮絶なバトルがこのギャップを面白くしている。
また、両親をなくし、さらには車椅子生活を余儀なくされた「春菜」と、そのことを気にして気弱になっている弟「周慈」に、家族として向き合い色々教え込むハテビトの二人にも心境の変化とかもあり、軽めの割にはなにかこみ上げてくるものある。


全体的にまとめて作られており、新人さんの作品ではかなりいい線を行ってると思います。
続刊も期待できるでしょう。


評価:★★★☆