ライトノベル「イスカリオテ」

イスカリオテ (電撃文庫)

イスカリオテ (電撃文庫)

一年間だけ、死んだ兄のふりをしてほしい—。そう乞われ、久瀬イザヤが降り立った御陵市は、七つの大罪を具現する「獣」と戦うための都市であった。地脈の特異点より現れ、人を喰らい、街を蹂躙する「獣」。それに対抗しえるのは、神の奇蹟を模倣するという断罪衣と、少女の姿をした第九祭器・ノウェムだけ。「この街は、あなたを愛するでしょう」そう告げたノウェムとともに、イザヤは兄のニセモノとして、この都市で「獣」と戦うことになるが…。


この作品、原作者だけで買いました 久々にやっちまったよ orz


さて、三田誠氏といえばレンタルマギカを思い浮かべる人も多いですが、スプラッシュが好きな人結構多いですね。
私個人としてはアガルタ・フィエスタ!がいいですけどね。
まどかイセリアの夫婦漫才とも言うべき駆け引きが好きなんですよね。
そのアガルタ以来の電撃での新シリーズです。
今度は聖職者をベースにしています。


ということで神職関連の用語が結構出てきますので、レンタルマギカ以上に敷居の高い作品ではあります。
しかし、そこはしっかり味付けがされていてます。
主人公がいままでの作品と違って、ちょっと後ろめいたところが伺える主人公ですが・・・・
どうも根は違っているように思えましたけどね。
ここら辺はいままでの三田作品と同じ系統の主人公だと思いますよ。


他にも、一癖あるというより、なにか罪を背負った人間ばかりが出てきて繰り広げられる人間模様。
そこに獣とのバトルが加わり、奇妙且つ絶妙ともいえる世界観が繰り広げられています。
著者の筆的技量も相まって、安心して読める作品であるとはいえますが、どうしても設定考証の関係で、先にも書いたとおり


敷居が非常に高い


のはどうにもなりません。
読み手にも知識と理解を要求するのは、レンタルマギカ以上だと思います。
読むときはじっくり、ゆっくりと2〜3度は繰り返し読んだほうがいいでしょう。


それとノウェム、綺麗というよりカワイイですね。


評価:★★★☆