ライトノベル 「SH@PPLE1」

SH@PPLE〈1〉 (富士見ファンタジア文庫)

憧れの一駿河蜜さん！僕、淡谷雪国は四カ月前、図書館で出会ったときから彼女の夢中。あんな綺麗な子、生まれて初めて見たんだ。彼女は双子の姉、舞姫と同じ青美女学院に通っていて、お近づきになれたらいいな、でも無理だ僕受験生だしー…と思ってたら！チャンスが巡ってきた！？舞ちゃんが突然「ユキグニ、学校交換しない？」って。僕と違って、クールでモテて生徒会長の舞ちゃん。彼女の方にも、入れ替わりたい深ーい理由があるみたい。で、でもね舞ちゃん、それって僕に女装して青美に行けってこと！？女の園で着替えとか…ち、ち、ち、ちょっと待ってよお！？

古今東西よくある「双子入れ替わり物語」。
古くは平安のころ「とりかえばや」からある古典芸能だ。
つまりありきたりな作品。
しいていえば、双子が二卵性双生児であること。
姉と弟である。
でも、顔は似ているそうだ。

この双子が性別を超えて学校ごと入れ替わるわけだが、男が女子高に入るのも別に特異な展開ではない。
でも、この話は結構面白い。
ネット上の評判で手に取ったわけだが、確かに面白い。
紹介文での、全体的な内容もふつうにあるとりかえ物で、それほど特徴があるわけでもない。
絵師の力かと思った。でも、絵は確かに「萌え〜」な感じでなかなかいい絵だけど、やっぱりただそれだけ。
（絵師はラノベ部のよう太さん）
最近流行のタイプの絵。
結局、最後までどうしてこんなに面白かったのかわからなかったまま読み終えたが、最後のあとがきでわかった。
この物語は竹岡葉月さんの作品。
私の記憶が確かなら、竹岡さんは女流作家のはずである。
そう、視点や文章や構成などが女性ならではなのだ。

これが普通の男性作家ならこうは行かなかったはず。

まさに竹岡さんならではの作品である。
またひとつ。いい作品に出会えました。

評価：★★★★