とうとう行政のメスが入った!

アニメ制作会社4割「超低制作費押しつけられた公取調査
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/news/20090124-OYT1T00046.htm

前々からいろいろ言われてましたが、とうとう行政が関与してきました。
ここからアニメ制作における現場改善につながればなによりですが・・・・。


さて、今回問題になってるのは、制作費の安価な押し付けとか、ハードスケジュールな部分。
全て、テレビ局もしくは広告代理店側への指導メスという形になった。


ところで、この公正取引委員会という組織、調べたところ内閣府外局らしい・・・。
ということは内閣総理大臣直下の非常に厳格な組織です。
さすがに権力はでかいでしょうね。


となると、テレビ局や広告代理店は結構ビビルわけで、本当に現場労働環境改善なんてなりかねない。
しかし、その反動はもっと怖そうだ。


1)発注の抑制


今まで、「数撃ちゃ当たる」感じでやってきたテレビ局等が、お金をかける代わりに本数を抑制する可能性も出てきた。
ましてや総務省は今、環境面からテレビ放送の深夜中止などの案を検討中とのこと。
安い金で大量のアニメを作らせて、深夜の空いている時間枠に充てていただけに、この放送枠減少と、公取委の介入で制作費の高騰が重なったら、わざわざ大量にアニメ発注することもない。
だから、質のよいアニメを少量だけは注することになる。
しかも、これからは資金も贅沢にということ。


2)アニメ制作会社生き残り時代


となると、技術、体制、体力などが強いアニメ制作会社が発注をとり、発注が来ない会社も増加する。
当然、数社はつぶれるわけだ。


3)原作も破綻


少なくなるアニメをいかに効率よく資金回収するかは、その作品の内容にもかかわる。
制作側は本当に面白い作品をアニメ化するようになり、メディアミックス展開のマンガ・ラノベの出版社は抑えられてしまう。
当然、作家の厳選が始まり、まるで消耗品のように扱う可能性も高い。
つまり「売れない作家はポイッ」ということ。


4)流行だけを追っかける。


今、ラノベや漫画もそうなのだが、ハーレム状態作品が好調。
これが当たったから、電撃文庫角川スニーカー文庫でさえ、すごい作品*1を世にだした。
別に面白いからいいけど(笑)
でも、どこの出版社も右へ倣え状態なので、似たような作品ばかりになれば、読者が早く飽きる。


5)ラノベ・マンガの崩壊


読者に飽きられ売れなくなってから気がついても遅い。
ライトノベル、マンガそのものが読者から見放され廃れる。
ということは出版社もいくつかつぶれる。


以上、大筋な流れを考えました。
まぁ、かなり大げさなところもありますが、こんなことにならないように、アニメ制作会社のスタッフの企業体質が改善されることを祈りますよ。


でも、行政組織って「はい、これでアニメ制作会社の体質改善されたから、一件落着」という感じで、テレビ局側だけ指導して、その後のことは関与しそうにないからなぁ・・・・。
この流れもあながち冗談ではすまないかも。

*1:スニーカー文庫はまさかのあすか正太先生に「ふるこんたくと」なんて作品書かせたし、電撃文庫も若手実力作家がこぞって、新シリーズはハーレムか作品を出す商品展開に・・・