ライトノベル愛好会「最近のラノベについて思うこと」

この前、この日記角川スニーカー文庫について、思うところをいろいろ書いたんだけど、今回はラノベ全体について思うことをちょっと書いてみたいと思います。
なお、私の個人的偏見の塊ですので、ここに書いてあることには間違いとか憶測が多いと思いますので、適当に読み流してもいいです。

ラノベ業界全体が萌え・ハーレム化
決して全部がというわけじゃないけど、最近のラノベはこの手の作品が多いような気がします。
まぁ、いまこの路線が売れ線なのは分かるんだけど、いつごろからか各ラノベレーベルの比率がこの系統に偏ってきていると思う。
出版社も商売だからしょうがないけど、いくらなんでも製造しすぎでは(笑)
ラノベ作家のブログに書いてあったんだけど、「最近の○○作品は学園異能バトル者が多い。」。
しかも、ハーレム系統展開だそうだ。
そんなに多いのかと思うのだが、実際にそういうことなのかもしれない。


・MF文庫がよくも悪くもけん引役か?
別にMFが悪いわけではないけど、電撃・角川・富士見の3大レーベルといわれた当時、MFが戦うにはどうすればいいかということを考えたのだろう。
そこで、MFが推し進めてきたのが「萌え・ハーレム系作品」の充実。
2005〜2006年頃からラインナップに、この系統の作品が多くなってきたような気がする。
まぁ、ねらい目としては悪くない。
実際、最近のMFはいいところまで来ていると思う。
固定ファンも多いと思うし、私見だけど角川スニーカーは抜いたんじゃないかな。
富士見とも肩を並べられるかと思う。
MFはあと「電撃文庫」だけが最大のライバルかと思われる。
ただし、2008年後半あたりから2009年にかけては、ちょっと売れ行き伸び悩み(初動の場合)
ゼロの使い魔と最近聖剣の刀鍛冶が出てきたが、看板作品と看板作家が少ないのが痛いところ。
ここが電撃との決定的な差かな。


・電撃も対抗?
この動きに真っ先に反応したのが電撃だと思う。
すでにシリーズを書いている作家に、要求したのか求めたのか(同じか)電撃作家のが新シリーズにこの系統を織り交ぜた作品が続々出てくる。
2006年にはすでに、その先陣として佐藤ケイ先生*1の書く「私立!三十三間堂学院」が2巻目が出ている。
また、乃木坂春香の秘密が延びだしたのもこの2006年*2
そして、この2006年には上月司先生の「れでぃ×ばと」がスタートしている。
また、翌年の2007年には七飯宏隆先生の「タロットのご主人様」がスタート。
両作品とも現在も続く人気シリーズとなっている。
また、忘れてはいけないのが2006年には伏見つかさ先生十三番目のアリスでデビューしていること。
今でこそ「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」で確固たる地位を築いているが、どっちかというと十三番目のアリスのほうが露骨な萌え路線だと思う(笑)
これらの作品を引っさげて、MFに対抗した。


・遅れた富士見と角川スニーカー
この2つのレーベルは出遅れた感じがする。
富士見はフルメタルパニック、レギオス、スレイヤーズなどの看板作品が多かったのだが、これらに続く作品がどうもパットしない。
この間にも七人の武器屋、ご愁傷様二ノ宮くんなどががんばってたんだけど、2007年は不遇の年となった。
それ以上に角川スニーカーが出遅れた。
角川には看板作品「涼宮ハルヒシリーズ」があるのだが、敢えて書くまでもなくあの状態で、ハルヒに続く作品としてレンタルマギカを押している。
これはそれなりの成功を挙げたと思うのだが、それ以降が続かない。
2007年〜2008年は角川スニーカーは元気がなかった。
2008年の後半ごろから、なにか動き出したようだが果たしてこれらが芽が出るのか。


現状ではMF対電撃というのが図式のようだが、ここに来て富士見が息を吹き返したような気がする。
富士見は今レーベル全体でリニューアルを図っており、スレイヤーズの再アニメ化。
レギオスアニメ化に生徒会の一存アニメ化決定など、ノリに乗ってきた。


角川は今までの遅れと、ハルヒの扱いに一生懸命でまだ出てこないだろう。
よくも悪くもハルヒにおんぶに抱っこな展開があだとなった。


2009年は2008年から続く大不況の影響もあり、ラノベ業界もただ事ではないと思う。
今は製造業会だけが大不況だが、トヨタ自動車日産自動車ソニー、日立、松下などが3月決算を出した後、強烈なデフレがやってくると思う。
読者の財布の紐がさらにしまることが予想されるので、出版社はさらに減った購買層に訴えていかないといけない。
2009年はラノベ業界に淘汰と競争の激しい嵐が吹き荒れることは間違いない。
下手するとレーベルごと消滅は可能性としてありえるかもしれない。

*1:佐藤ケイ先生は萌えの先駆者と言われている

*2:この年の乃木坂春香は3冊出ている