2009年 ライトノベルはどうするべきなのか? -角川スニーカー文庫編-

この日記電撃文庫の向かうべき道を考えたが、今回は角川スニーカー文庫について考える。
なお、いつものごとく個人的妄想が含まれている可能性も否定できませんので、適当に読んでいただいても構いません。


まずは、2008年4月〜12月のオリコンに絡んだ、角川スニーカーレーベルの作品。

2008年オリコンに絡んだ角川スニーカー文庫作品はわずかに6冊。
うち3冊は、アニメ、マンガのノベライズ作品。
非常にさびしい限りです。
・角川スニーカーはまずどうするべきか
まずはなにより『発行部数を伸ばす』ことでしょうね。
これは、前に電撃編で紹介した『電撃戦略』の角川スニーカー版を推し進めるのが良いかなとは思います。
・どうやって売り上げを伸ばす?
これは角川スニーカーが考えなきゃいけないんですけどね、とりあえずためしにこんなの作ってみました。

これは私が思いついた限りのSWOT分析です。
4項目ありまして、目標は『売り上げ部数を伸ばすこと』に絞り各項目ごとに列記してます。
赤で囲まれた部分は『Internal factor』で組織、個人の内部的な要因。
青で囲まれた部分は『External factor』で、外部の要因です。
見てもらえば分かると思いますが、内部要因部分には空白がたくさんあります。
ここは内部要因ですので、基本的に組織に属する人間じゃないと分からないことが多いのです。
特にコストや流通なんてものは、私は角川スニーカーの人間ではありませんので、知ってるはずがありません。
逆に外部的要因の場合、一読者として感じたことを書いています。
こちらは外部の人間のほうが意外と気がつく点が多いのです。
従って、外部要因は基本的に全項目埋めてます。


・脱 涼宮ハルヒ
まずは、「涼宮ハルヒ」への依存形態をどうにかしないといけませんね。
角川スニーカー最大の売り上げを誇るのは分かりますが、そろそろ他の基幹作品をそろえないと、レーベルごと崩壊します。
・老舗ゆえの小回りが効かない面
老舗と言うイメージはある意味プラスですが、使い切れないと足かせにしかなりません。
下手なことすると読者が離れると懸念したように伺えますが、その考え方が昨今の萌えブームに乗り遅れたと思います。
これは、ガガガ文庫の方が実は深刻だと思います。
あちらは大手である分、もっと小回りが効いてないような節が見られます。
その点老舗ブランドの角川は、まだ恵まれているでしょう。
いまなら、まだブランドイメージを払拭して新生角川スニーカーを前面に出せるかと思います。
・作品の数を多く。
当面は質も重視ですが、ここは敢えて量も出すべきではないかと・・・。
今の角川は作品の点数で大きく電撃に差をつけられています。
作家陣は結構実力有りの作家さんも多いので、10〜15冊/月の刊行ペースの一大レーベルとするのが手っ取り早いかなと思います。
正直、書店での平積みにしろ、地味すぎて・・・。
目立ってません。


今の角川スニーカー文庫ハルヒがこの状況ですと、レンタルマギカしか頼れる作品はありません。
まずは軸をしっかり固定しましょう。
レンタルマギカが平均で初動2万部で、コレを4万部に底上げできれば尚良し。
このレベルに到達できる作品をレンタルマギカ以外にあと最低2つ。
1年安泰でまわせるのは、ほんとうならば、あと4つは必要です。
いま、それができると思えるのは「ミスマルカ興国物語」。
しかし、もうひとつがどうにもでてきませんね。
円環少女」「レンズと悪魔」「時載りリンネ」あたりをなんとか押し上げないと、ちょっと厳しいですよ。
そしてすきまなく、これらに続く作品も仕立てておきます。
ここら辺の候補はないに等しい。
角川の先行きはちょっと厳しそうです。
はやく、「黒猫の愛読書」「放課後の魔術師」を育てる必要もありますが、ぜんぜん作品点数が足りてません。
このランクの作品は10作品くらい用意しておかないと、2〜3年後にまた、今と同じ状況に陥ることになります。
久しぶりにハイレベルな新人を獲得したスニーカー文庫ですから、もう少しがんばりましょう。


しかし、これらの作品は2009年はまだ出てこないと思えますので、2009年の角川を牽引するには、既存の作品と他の作戦で引っ張るしかありません。
そこで、アニメノベライズ作品の刊行です。
角川にはアニメノベライズ作品が存在します。
番組は終わったとはいえ、コードギアス
もうすぐ終わりますが、ガンダムOO
そして、劇場版がそろそろ出てきそうなマクロスF
さらには地味ながら人気のあった「ブラスレイター」に、巷では2期決定とか噂が流れている「ストライク・ウィッチーズ」。
これだけありますから、毎月何かのノベライズを刊行できるはずです。
ちょっと、インチキくさい感じもしますが、アニメノベライズ作品は以下の路線で攻めると、いいところまでいけると思います。
コードギアス
⇒谷口監督公認の後日談シリーズ
すでにスニーカーで5年後が語られてますが、コレを本格的に薦める。
谷口監督をサンライズがなんていうか分かりませんが・・・。
今なら、まだ何とかできるでしょう。
ルルーシュ/スザクが主の学園コメディ
生徒会の事件簿シリーズがありますね。
コレを少々力入れてみるのは?
ガンダムOO
これは、ガンダムマイスター5人の日常を描いた小説しかないでしょう。
この5人もそうなんですが、一人一人の掘り下げた物語なんか、結構受けそうです。
マクロスF
劇場版と絡みが難しいですね。
アルトのツンデレ学園コメディか、マクロスゼロとのつながりのエピソードあたりなんかどうかな?


ブラスレイターはアニメ知りませんので、割愛させていただきます。


ストライクウィッチーズ
ここは、アニメと同時期の設定で別の招待の物語あたりをやってみるとか?


いろいろ考えたけど、私にはコレが限界(笑)


これらノベライズ作品に、レンタルマギカ、ミスマルカなどの軸作品と中堅作2〜3本を、ローテーションで回すことですね。
それから、忘れてはいけないのが「萌え」系統作品。
これはある一定数の目を引くには、うってつけの作品ジャンルです。
幸い、角川スニーカーから「ふるこんたくと」なる奇抜奇天烈な作品も登場しました。
「会長の切り札」などもありますし、竹井10日先生の新作に、短編で結構好評だった「ヒメゴトシステム」も文庫化してます。
これで、とりあえずそろったでしょう。
これらは、毎回絵師に豪華な表紙を書いてもらって(もちろん美少女)角川スニーカーに彩を添えます。
これで、平積み開始ですね。
それと、忘れてはいけないのが僚友「角川ビーンズ文庫」。
一緒の位置に平積みするのも作戦かもしれません。
幸いなことに、角川ビーンズ文庫には「彩雲国物語」「マのつくシリーズ」「少年陰陽師」という3大売れ線があります。
秋葉原あたりの書店に協力してもらって、当面『ビーンズ&スニーカーフェア』とか銘打って、大々的なキャンペーンデモするのもありかな。


はたして、角川スニーカーは2009年は復活できるのか?
ハルヒの新刊が出ればまた少しは変わるんでしょうけどね・・・。