今回のダイヤ改正で、消えたのはなにもブルートレインだけじゃない。もっと大事なものが消えていった。

今回のダイヤ改正で、東京駅発最後のブルートレインが消えました。
これに関しては私自身日記でいろいろ触れてますので、これらを参照してください。

「なぜブルートレインはなくなるのか?」
富士・はやぶさラストランにすごい人だかり
鉄道業界リンク 2009年3月12日

さて、ブルートレインの廃止は余りにも大きな出来事だったのか、結構な人と一般への注目度もあったようですが、それ以上に日本の鉄道歴史はこちらのほうがもっと大変な出来事だったはずです。
さて、このダイヤ改正で他にどんなことがあったのか?

・急行つやま廃止
「ぼったくり」と呼ばれ…JR最後の昼間急行が廃止へ(asahi.com)

いやぁ、正直この急行はどうかと思いましたけどね。
砂丘廃止と同時に設定されましたが、あれだけ快速ことぶきが設定されてしまった中の中途半端な急行。
3月13日の運行を持って廃止されたのだが、実はこの列車
JR最後の昼行急行列車
だったのである。
「急行つやま」の廃止により、JRの急行は「はまなす」「能登」「きたぐに」のわずか3本という、片手で数えられる本数になってしまったと同時に、残りは夜行の急行のみとなった。
新幹線接続で岡山⇔鳥取津山線因美線経由で結ぶ急行「砂丘」が、智頭急行開業と同時に智頭急行経由特急「いなば」として岡山⇔鳥取を結ぶことになったため廃止になった。
その砂丘のなくなった代わりに出来たのが、津山線の岡山⇔津山を結ぶ急行「つやま」である。
最初の頃はキロハまで連結した豪華なキハ58を使ってましたが、正直沿線利用者からは、最初から運行自体が迷惑と思われていたようですね。
同じ路線で快速が多くなれば、わずか1往復の急行というものが、如何に中途半端な存在になるかは、設定した時点で素人でも分かりそうなことであるが。
津山線が快速ことぶきではなく、全列車急行だったらまだしもね。
挙句の果てにキハ48に変更になり、設備的にもちょっといいだけの急行になったため、ぼったくりなどと言われる始末。
どうやら、砂丘廃止時に設定を要望したのは自治体側のようです。
今回の結果で自治体と沿線住民の意識の差が明確に出ました。
まぁ、自治体としては津山までの経路の交通申請に「急行つやま利用、料金730円」と書き込めますからね・・・。
おっと爆弾発言だ。

ムーンライトながらムーンライトえちご廃止⇒臨時列車になる

大垣夜行、または大阪行き客レからの歴史を誇る長距離鈍行の流れをくむ「ムーンライトながら」が定期列車から、臨時列車になった。
それにより使用車両もJR東海373系JR東日本189系に変更になった。
189系と言えば、碓氷峠の強調運転用車両。
横軽の本来の用途から、まさか大垣に顔を出すことになろうとは。

ムーンライトえちごはJR化前の国鉄末期に客車列車として始めたのがスタート。
そのあと、客車列車から165系のリニューアル車両。
そして現在使用車両の新潟所属の485系になっている。
昔は新宿⇒上諏訪甲府甲府始発の特異な電車441M)など、異端児夜行普通列車が多くあったが、このムーンライトえちごムーンライトながらも実は普通列車の座席指定快速列車としての格上げというのが始まり。
ながらは有名な大垣夜行*1345Mの発展系で、165系で運行されていて、373系の新製投入と共に快速になり、「ムーンライトながら」の愛称もついた。
ムーンライトえちごも、115系普通列車上野⇒長岡の発展版。
この普通列車は上野⇒長岡の下りのみだが、井野駅と当時存在しなかった高崎問屋町、上越国際スキー場前、臨時駅の岩原スキー場前以外の全駅に停車しており、しかも停車する駅では必ず車内放送があったというつわもの電車。
こういった夜行普通列車が全国各地にまだ存在した時代があったのだ。
ムーンライトはこういった夜行普通列車のスジを活かし継承してきた列車なのだが、今回の臨時列車化と車両の入れ替えがこんごどう響くか分からない。
JR東日本単独のムーンライトえちごは、いつ廃止になるか分からない。


むかしは上野⇒青森とか上野⇒仙台なんていっぱいあったんだけどね。
日本の輸送を担っていた、長距離普通列車の終焉と、昼行急行の全廃。
そして東京発着ブルートレインの終焉・・・・・・
今回のダイヤ改正は、日本の鉄道史に大きな転換を与えた改正となった。

*1:「ドン垣(鈍行大垣行)」等とも呼ばれた