『咲-Saki-』を楽しく見るために麻雀を覚えましょう・・・その5

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今回は麻雀の最高役である『役満』について解説します。
役満とは?
ある一定の難易度の高い条件設定がされておあり、それを満足した場合に得点計算を無視し特別な役として与えられる麻雀の最高役。
本名は役満貫でこれの略称が役満と呼ばれる。
得点は4倍満貫であることが多いので、親48000点、子32000点となるのが一般的。
そのため、あがることそのものが栄誉とされるものであり、一種の大当たりみたいなものでもある。

役満の特徴
通常の役を超越した存在として扱われるため、通常役は一切絡まない。
しかし、役満同士は絡むことが出来るルールを採用していることがある。
ただし、通常の役満だけでもあがるには相当大変であるのに、2つ以上の役満を複合してあがるなど、麻雀を一生やってても出るかでないかの世界である。


役満についての基本的な特徴は以上です。
ここからは役満について、条件、特徴、注意点などを解説します。

四暗刻(スーアンコウ)
通称『スーアン』
字の如く、暗刻を4つ集める役で、役満の中では比較的簡単に出来る部類になる。
しかし、それも難しいことに変わりはない。

パターン1

この場合をロンしても、ツモでも四暗刻となる。

パターン2

この場合はがくればあがれるが、ツモあがりでしか四暗刻にならない。
ロンした場合は、ロンした牌で揃った刻子が『明刻』扱いになるためである。
(ただし、ロンあがりでも三暗刻対々和は最低付くので、40符以上四飜で満貫は確実だが)

あくまで手の内で4つの刻子をそろえることが四暗刻の条件である。
1番のようなそろえ方を、単騎であがり牌をまつことから『四暗刻単騎待ち』と呼び、一段階難易度の高い四暗刻となる。
なお、ルールによっては『四暗刻単騎待ち』はダブル役満(2倍役満)として通常の役満の2倍の点数とするところもある。
四暗刻は暗刻を4つそろえないといけないので、物理的に鳴くことは不可能である。
したがって門前でしか出来ない。

国士無双(コクシムソウ)
通称『コクシ』
么九牌13種類(1と9と字牌)と、么九牌13種類のうちどれか1枚と絡めてあがる役。
チートイツと並び、麻雀の上がり手『3枚組+3枚組+3枚組+3枚組+2枚組』という形に添わない数少ない役。

パターン1

この場合あがり牌は、上記13種類のうちどれか1枚がくれば国士無双の完成であがりとなる。

パターン2

これは第3話で咲が実際にやった『国士無双 聴牌』の形。
この場合は上がり牌は、たりない么九牌であるだけとなる。

パターン1のような国士無双のあがり方を、13種類の牌を待つことから『国士無双十三面待ち』と呼ぶ。
これは普通の国士無双より、一段階難易度の高い国士無双となる。
ルールによっては『国士無双十三面待ち』を2倍役満とするルールもある。
国士無双はその構成上、2〜8の牌(中張牌と呼ぶ)を多数捨てることになり、相手に当たってしまう危険性が高くなる上に、捨て方から国士無双を狙っていることがばれることが多い。
狙うときは、最初からそれなりに么九牌を多数持っていることが前提だ。
当然、牌の構成が特殊なため鳴くことは不可能。

大三元(ダイサンゲン)
三元牌刻子を作る役。
一番構成牌の点数が少なくてすむため、難易度では一番簡単である。
また、鳴いても鳴かなくても出来るので、役満の中ではさらに難易度を下げている

パターン1

この場合はろロンしてもツモでも大三元となる。
しかしであがれば、大三元にはならない。

パターン2
      
この場合はがくれば大三元となるがだと大三元にはならない。

パターン1は門前で揃えているので、比較的でやすいが、手の内でそろえるのはかなり難しい。
逆にパターン2のように鳴いてしまうと、警戒してはまず出ないだろう。
少ない枚数で出来る分、早期に警戒されたりする確立も高くなる。
また、三元牌刻子がひとつでも役になるので、早あがりをする人には持つ傾向があるので、散らばったらまず大三元は不可能だ。
出来る限り手元に三元牌が多くある状態で、なるべくなかずにそろえることが大三元をあがるコツだ。
この役満は何度も聴牌までは到達することは可能なのだが、失敗することは意外と多い。
そのため、なんどもトライすることが大切だ。

字一色(ツーイーソー)
字牌だけで作る役。
字牌ならどれでもいいのだが、基本チートイツの形かトイトイの形にしか出来ない。
チートイツの形の場合は門前でないといけないが、トイトイの形の場合は鳴くことも出来る。

パターン1
]
この場合、門前でやっているためをツモであがると、四暗刻もつきダブル役満(2倍役満)になる。
当然ながらロンであがっても、字一色役満である。

パターン2
    [  
このように鳴いて刻子を作ることも可能。

パターン3
    
この場合はをロンしてもツモでも、字一色大三元となりダブル役満となる。
もちろんであがっても、字一色役満である。

パターン4

このように七対子の形態でも作ることが出来る。
ただし、字牌は7種類しかないので、必然的に全種類の字牌を使うこととなる。
また、あがり方は確率の悪い単騎待ちになり、この場合はあがりがのみである。
そして当然ながら、このパターンは門前でないと不可能。

パターン1はまずスピード的と確率的にほぼ不可能だ。
大抵はパターン2のように鳴くことが前提となるが、鳴きすぎて字一色を狙っていることがばれてしまい警戒されやすい。
パターン4は別名『大七星』とも呼ばれる、同じ字一色でも一段階高い役で、ルール次第ではダブル役満と扱う場合もある。

四喜和(スーシーホー)
この役満は2種類あります。
4種類のうち3種類を刻子で集めて、のこりひとつを対子で組み合わせると『小四喜』となり、4種類全部刻子であつめると『大四喜』という役名になる。
字一色と絡みやすい役で、鳴いてもあがることが出来る。

パターン1
      
この場合がくれば、『小四喜』となり役満である。

パターン1
      
この場合がくれば、『大四喜』と『字一色』となりダブル役満である。
またがきた場合も『小四喜』と『字一色』となりダブル役満である。

小四喜』と『大四喜』は難易度が違いすぎるため、『大四喜』はダブル役満とするルールを採用する場合もある。
この場合、パターン2でであがった場合はトリプル役満(3倍役満)に跳ね上がる。
集める牌が限定されるため、まず鳴かないとこの役は上がれないだろう。
当然鳴きすぎると相手に何を狙ってるかばれてしまうこともある。

緑一色(リューイーソー)
だけであがる役。
アメリカ生まれなので『オールグリーン』とも呼ばれる。
読んで字のごとく、緑色だけで構成されている牌のみを使うところがポイント。
この役は鳴いても出来るが、なにぶん使える牌が限定されているため、それほど多くの手は望めない。
たとえばこんな形

      

この場合待ち牌はとなるが、では緑一色にはならない。
であがらないといけないのだ。
また、チーはしてもいいが、緑一色にするためにできるチーはの順子だけである。
意外と手の広がりは期待できない。
この役満も最初から、緑色の牌が多く集まってないと無理だろう。

清老頭(チンロートー)
1と9と字牌のことを么九牌と呼ぶが、さらに細かく分けて1と9の牌のことを老頭牌(ロウトーハイ)と呼ぶ。
二飜役で『混老頭(ホンロートー)』というのを解説したが、この清老頭字牌を抜いたもの。
つまり1と9の牌だけであがる役満
なお、字牌と違って老頭牌は6種類しかないため七対子の形にすることは不可能。
そのため、結果的にトイトイの形しかできないが、鳴くのは認められている。

この場合がくれば清老頭となる。
刻子の部分は、ポンしてそろえてもいい。
しかし、対象牌が6種類24枚しかないので、鳴きまくって早く手をそろえないと無理だろう。

四槓子(スーカンツ)
一人でカンを4回するlこと。
カンは加槓でも、大明槓でも、暗槓でもOK。
とにかくひとりで4回カンをすればいいのである。
ただ、二飜役で三槓子というのがあったが、一人で3回カンをするのがすごく低い確率なのに、4回もカンをするのである。
そうとう低い確率になる。
それと『四開槓』というルールがあり、複数の人で合計4回カンをすると流局になってしまうので、自分以外の人が1回でもカンしたらこの役満はできなくなる。
それだけに非常に難しいのである、
そのため、一部ルールでは4回目のカンをしてツモってきたリンシャン牌を組み入れて、捨てた牌で誰にもロンをされなかった時点でこの役満を認めることもある。
まぁ、とにかく難しいことは間違いない。

九蓮宝燈(チューレンポウトウ)
通称『チューレン』
マンズ、ピンズ、ソウズのうちどれか1種類だけで、『1112345678999+なにかひとつ』あつめるやり方。
国士無双13面待ち以外では一番待ち牌が多くなる待ち方である。
特殊な待ちではあるが、『3枚組+3枚組+3枚組+3枚組+2枚組』に沿ってあがれる希有な手牌で、美しい形といわれ誰もがあこがれるアガリの形態である。
しかし、その実ものすごい難易度が高く、この役をあがったら『死ぬ』といわれていることは、あまりにも有名。
それだけでる確率が低いということ。

パターン1


このパターンではのどれか一枚がくればあがれる。
これでもちゃんと『3枚組+3枚組+3枚組+3枚組+2枚組』にできるのである。
たとえばがきた場合。
        
が来た場合。
        
がきた場合。
        
がきた場合。
        
がきた場合。
        
がきた場合。
        
がきた場合。
        
がきた場合。
        
がきた場合。
        
ね?
どれが来てもちゃんとあがりの形になるでしょう?

パターン2


この場合はが2枚あり、が一枚たりないため、がくれば九蓮宝燈になる。
ただし、あがりの形的にはでもあがることが可能である。
その場合はチンイツ系の通常役になる。
(まぁ、それでも高得点だが)
なお、九蓮宝燈は1種類の牌であがった時の手牌の形で決まる役なので、門前でなければならない。

ソウズでしかできない『緑一色』、ピンズのみのローカル役満『大車輪』があるため、一般的には九蓮宝燈はマンズしか出来ないというルールを採用する場合もあるが、基本はどの牌でもOK。
また、パターン1の場合は究極の待ち方で待つやり方で、この場合を『純正九蓮宝燈』と呼び、普通の九蓮宝燈とは分けて扱い、ダブル役満とするルールを採用していることも多い。
でも、どんなときでもこの役満を出すのは難しい。
ましてや純正は一生かけてもお目見えできないこともある。
まさに最高の難易度と憧れと芸術的な形を持つ役満の最高峰である。

天和(テンホー)
これは他の役満と違い、牌の形ではなく完全な運任せの役満
ゲームを開始するに当たり、山から牌を順番に取っていくが、親だけは最初14枚の牌が並ぶ。
親が、この中から1枚を切ったときがゲーム開始なのだが、天和とはこの時点でアガリの形になっていること。
つまり
配られたときにあがれる状態になっていることである。
このあがれる形は『3枚組+3枚組+3枚組+3枚組+2枚組』が基本だが、七対子の形でも国士無双のあがりの形でもいい。
国士無双の形が最初の配牌で完成していたら、当然『天和]と『国士無双』がついてダブル役満だ。
もう完全な運任せの役で、少なくとも記録の残っているプロ主催の競技麻雀でも記録がないはずである。
それほど確率が低い役満で、計算上では33万回やって1回でるかでないか・・・。
人によっては一生かけてもお目にかかれない。
当然、この役満は『親』しか出来ない。

地和(チーホー)
こちらも、完全な運任せの役。
最初に配られていた時に聴牌になっており、第一ツモ(ゲーム開始時に最初に持ってくる牌)でツモアガリすること。
天和に近い役満であるが、条件のところから分かるように、こちらは子しかできない役満である。
またツモであがるので、どんな聴牌形式になっていたか調査する対象になる。
天和の場合は14枚一挙にくるので、国士無双だった場合は13面待ちで上がったと判断する場合があり、この場合はトリプル役満とする場合もあるが、地和の場合は、どういうツモアガリしたか確認できるということである。
また、第一ツモ牌をとる前に、いきなり誰かがポン、チー、カンをしたらこの権利は消滅する。
その点、北家はこの役満には分が悪い。
しかし、天和と同じように来る確率は非常に低い。

以上、ここまでが役満の一種です。
ここからは、ローカルルールを採用している役満です。
ルールによっては役満ではない場合がありますので、注意してください。

人和(レンホー)
これも運任せの役。
ゲーム開始から、自分が最初にとってくる牌までに、ロンあがりをすること
条件に書いてあるとおり、一番最初に牌を捨てる親には不可能な役。
逆に捨て牌が多くなる北家が一番有利となる。
ガリの形に制限はないが、ルールによって扱いが非常ばらつきがあるのが特徴で、人和そのものを採用しないルールでは、この条件下であがったときに焼くが付いていない場合はチョンボになることもあるので、ゲーム開始前にルールの確認をするのが必要。
プロの競技麻雀では、役そのものを採用していない場合が多い。
なお、セガのMJ4では倍満扱いになっている。
満貫、跳満と掏る場合もある。

四連刻(スーレンコー)
連続した数字の刻子を4組集める役。
刻子を4組数字順に並べる役で、これも役自体を採用、不採用にわかれる。
ほとんどが不採用でセガのMJ4だけが役満として扱っている。
ただし、この役は手牌の関係上トイトイの形になるので、最悪役がなくてチョンボになることはない。
なお、数字の連続した刻子を3組集める『三連刻』というローカル役もあるが、大抵この四連刻とセットで採用、不採用を決めているところが多い。
『三連刻』を採用した場合、大抵食い下がりのない二飜役として扱われる。
なお、四連刻を採用している場合、ほとんどのルールでは鳴いても可能となっている。

大車輪(ダイシャリン)
ピンズで2〜8を2枚ずつそろえる役

ガリはこんな形。
一見、チンイツ七対子に見えるが、待ち方などでいろいろあるのでかなり違う。
ほとんどで不採用の役だが、MJ4と麻雀格闘倶楽部では役満として採用している。
なお、役満として不採用でも、門前チンイツタンヤオとかピンフにイーペーコーが絡みやすく、リーチをかければウラドラが乗ったりすることもあるので、倍満までは軽くいってしまうので、元から高得点ではある。

以上ですね。
これらがいわゆる役満ですが、まずお目にかかる機会はそうそうないでしょう。
次回は、点数計算についての解説です。