アスキーメディアワークス『海の底』

海の底

海の底

四月。桜祭りでわく横須賀米軍基地を赤い巨大な甲殻類が襲った! 次々と人が食われる中、潜水艦へ逃げ込んだ自衛官と少年少女の運命は!? 

読んだのはハードカバーのほう。
従って番外編は収録されてない。


有川浩自衛隊3部作の第3弾。
陸⇒空と来ているので、今回は海となる。
しかし、主役は機動隊と少年少女たちのような気もしないでもない・・・。


物語は特異な事情から潜水艦という特殊な”閉鎖空間”に逃げ込んだ、海上自衛隊委員と少年少女たち。
そして、被害を最小限に抑えるために命を懸ける機動隊とのパートに分かれるが、それぞれリアルな描写っぽく描かれている。しかも、立場も設定年齢とかも違う人たちなので、その考え方とか人としての資質がそのまま物語りに反映される。
この展開が、読者を物語にのめりこませる。


赤い巨大甲殻類の襲来というありえない矛盾点と、現代における法制度の難しさをミックスした秀逸な作品といえるだろう。
評価:★★★★