ライトノベル『文芸部発マイソロジー』

文芸部発マイソロジー (一迅社文庫)

文芸部発マイソロジー (一迅社文庫)

黙っていれば美少女なのに、口を開けばクトゥルー神話だの何だのクセのありすぎる話しかしない部員ばかり揃っている中上高校第二文芸部で日々を過ごす近藤寛二は、自分たちが部活動の一環で創作した神話世界が本当に生まれてしまったことを知ってしまう。
しかも、面白くするためにいろんな世界の神様を連れて来られるという設定にしたばかりに、その世界が大変なことに……。

最近萌えが多いけど、作家さんは神話も好きなのかね。
内輪ネタに萌えとか混ぜたり、どうやら最近は神話+萌えがブームのようだ。
まぁ、一迅社というところは荒くれ者フリーダムな気質を感じてしまうところなので、そういったことは気にしない。
これが電○とか○川とかだったら、『なにこれ』と思うところだw


内容は神話をベースにしているわけではなく、ごく普通の学園ラブコメ異能者といったところだ。
この作品の特徴は神話をモチーフにするのではなく、神話をミックスして作者自身が神話を作ってしまうというのを、物語の人物にやらせているという点。
そこは目の付け所はよかったのだが、神話をベースにはしていなくとも、神話の知識は多少必要。
私は神話に関してはまったくの無知なので、多少ついていけないところもあった。


しかしそれを差し引いても、イマイチパットしない作品。


なにがいけないのかとよく考えたら、多分ヒロインを複数出しすぎた?ということかな。
いや、これはラブコメ萌え要素が強い作品ならばイタって普通なのだが、ヒロイン4人のうち2人は今回は当て馬としても、残りの二人の立ち位置が微妙なのだ。
基本第二文芸部長の彼女がヒロインだと思うのだが、どうにもアマヨリがヒロインにも見えてします。
この点で読者につかみ所を掴ませきれてないところがあるかもしれない。
このあたり、もうちょっと掘り下げても良かったかもしれない。
最後にあるオチが隠されているが、そのオチもそこまでに至る過程がこんな調子だったので、感動というにはまだ足りなかった。
続刊前提なのか、それとも違うのか分からないが、続刊以降にそういった話をメインして、最初はアマヨリとの関係性を強くしたほうが物語に厚みが出ただろうに・・・。
評価:★★☆