ライトノベル『イスカリオテ３』

イスカリオテ〈3〉 (電撃文庫)

生徒会一行と合宿場の下見で海を訪れたイザヤは、かつて九瀬諌也やカルロとともに聖戦を戦った壬生蒼馬の襲撃にあう。断罪衣(イスカリオテ)を起動して攻撃してくる蒼馬は、しかし、<獣（ベスティア）>に取り込まれ、殉教したとされているはずだった。
底の知れない玻璃のもうひとつの人格、異端審問官・ラーフラの監視など気を許せない状況の中、本当の『九瀬諌也』の記憶を留めている蒼馬にイザヤは苦戦を強いられる。はたして蒼馬の正体と目的とは、イザヤがホンモノとニセモノの狭間に見出すものとは!?

ノウェムがどんどん可愛くなっている？！

新たなツンデレ展開方式か？
ノウェムのツンデレは違った意味で予想外だった。
まさかこの人形こんなことになるとは・・・・。

あと、ハリさんの裏側(裏ハリ)もだんだんと表に出てくるようになった。
この物語の重要人物だろうけど、ある意味ノウェムの対抗馬となりうる存在かもしれないｗ
本来のヒロインのはずの表ハリさんは地味すぎる。
もっと存在感がほしいところだ。

その表ハリ以上に存在意義が不明なのが、そのほかの生徒会のメンバー云々。
彼らにも出番はあったのだが、物語を読み終わっての彼らの立ち居地が微妙に理解できないｗ

今回はイザヤの過去を知る男がイザヤの前に現れる。
この男と立ち向かうイザヤは、それと同時に自分の自分として意味を問うことになるのだが、出た答えが果たして今後どうなるかは作者のみぞ知るところだと思います。
しかし、壬生との戦い含めてイザヤ自身も何か変わったようだ。
これから一体どうなるのか気になるところです。

裏側のハリさんが目立ってきたと同時に、バトルに関しては悪くないです。
ラーフラとカルロ含めた裏の情報戦のやり取りも中々読み応えがあります。
そして今回のノウェムのこの心境変化。
物語が盛り上がってきました。
後は地味で存在意義がイマイチつかめない彼らの扱いをどうするかですね。
しかしながら、さすがは三田誠先生。
物語の作り方は本当にしっかりしています。
いつも一定レベル以上のストーリ展開はさすがといったところでしょう。
非常に安定した実力派の作家と思います。

総合評価：★★★☆