ライトノベル『僕は友達が少ない』

僕は友達が少ない (MF文庫J)

僕は友達が少ない (MF文庫J)

学校で浮いている羽瀬川小鷹は、いつも不機嫌そうな少女・三日月夜空が一人で楽しげに喋っているのを目撃する。
「もしかして幽霊とか見える人?」「友達と話していただけだ。エア友達と!」「……」小鷹は夜空とどうすれば友達が出来るか話し合うのだが、夜空は無駄な行動力で友達作りを目指す残念な部まで作ってしまう。
しかも何を間違ったか続々と残念な美少女達が入部してきて――。
みんなでギャルゲーをやったりプールに行ったり演劇をやったり色々と迷走気味な彼らは本当に友達を作れるのか?

平坂先生の自虐ネタですか?


前代未聞の物語開始早々に内容物を戻すダブルヒロインってどうよw
たしか、そんなことをするヒロインはいままでにもいたのは確かだが、ダブルヒロイン共にやってしまうのはどうか?w
少なくともラノベではこんなことをするヒロインはいなかったなw


形態はラノベ部と同じ形式のショートストーリーの連作。
ただ、こちらは、キャラ的に一癖もふた癖もある連中ばかり。
しかも、それぞれが他人とのコミュニケーションが上手じゃない人間ばかり。
そんな連中が集まって織り成す物語なのだが、得てしてこういう系の物語は全体的に流れがつかみにくいところがある。
この作品もそのうちのひとつ。
前のラノベ部もそうだったが、富士見ファンタジアのあのシリーズ*1とかと一緒で、ショートの中に面白かったりつまらなかったりするところがあるものの、1冊の作品としての評価は低めになってしまう。
富士見ファンタジアのあれは、それを個性あるキャラクターとテンポとノリで評価を伸ばしたが、実際にそういうつくりにしないとかなり難しいと思う。


この作品内でも書かれていたが、物語には起承転結があり、その基幹をしっかりするとよりいい物語ができるのだが、短編連作のこれにはそういった概念が無いのでその分マイナスとして感じてしまったのしょうがないか。
ただ、前作ラノベ部よりは個性のあるキャラをそろえているし、ラノベ部は内容が内容だけに範囲が狭められるが、この作品はそういった点はない。
ノリは前作と一緒なのだが、キャラの個性の強さが光っている点と、キャラ同士の絡みがラノベ部より面白く書かれているので、その分ではいい作品と言えるかな。


ただ、主人公とダブルヒロン?との絡み方と言うかフラグの発生は『え?』と思うところもある。
ちょっとフラグ発生はやくはないかな?


ツカミとしてはまぁまぁだが、今後も面白いかどうかはキャラクターの扱い方にかかっていると思う。
その点では早くもフラグが経ってしまった状況は先行き不安だ。

総合評価:★★☆

*1:もちろん碧陽学園生徒会議事録シリーズのことねw