ライトノベル『三流木萌花は名担当!』

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「あなたが、時任零路?」突然、学校の階段で女の子から名前を呼ばれ、僕は思わず立ち止まった。
時任零路は、僕が三流木出版からデビューしたとき、一度使ったきりのPNだ。
今はもう封印している。まっっっっったく、売れなかったんだ。
ところが久しぶりに編集部に顔を出すと、そこにいたのはあの階段の女の子三流木萌花だった。
「担当命令よ! 萌えでエッチなラブコメを書きなさい!」えええっ!? ……も、“萌え”? 文学、目指してるんだけど

ミツルギファイヤー文庫創刊ww


うかつにも笑ってしまったw
なんですかミツルギファイヤー文庫ってw


それはともかく、最近この手の業界関連というか、制作の裏側を題材にした作品が多くなりましたね。
一体火付けはなんだったのだろう・・・。
この手の作品は数作品読んだことがありますが、これは悪くありませんね。


この作品の肝は最近流行の萌え、エロ、ラブコメのご時世に、全くそっち方面に疎い今時の男子高校生ラノベ作家(になる予定)が、悪戦苦闘しながら立派な萌え系ラブコメ(ちょっとエロ)を書き挙げる話。
そして、もうひとつ物語の見所は、クラスメイトであり出版社の編集でもある三流木萌花が、主人公の悪戦苦闘をフォローし、励まし、支えていく奮闘振り。
この二人を中心に物語りは進んでいきますが、この編集と作家のやり取りはかなり妄想だろうけど。
このやり取りがコミカルになったり、感動を呼んだり、喧嘩になったりする二人の関係性が、それとなく上手に構成されていて、最後はお約束のハッピーエンド。
作品として上手にまとめましたね。
ただし、ひとつ言えることは、こういう作品は読者の対象がラノベをそれなりに読んで状況を理解している人でないと、受け入れてもらうのは難しいということ。
ただの読書家では、萌えだのエロコメだのは分からないだろう。
一定のラノベ読者にはお奨めできる作品だと思います。
あと、物語中に出てきた主人公の書いた作品も、そのまま出しちゃえば?


総合評価:★★★