ライトノベル『這いよれ!ニャル子さん4』

這いよれ! ニャル子さん 4 (GA文庫)

這いよれ! ニャル子さん 4 (GA文庫)

足下に転がるイタクァ(レプリカ)の死骸。
――もしや真尋さんのご両親、実は邪神ハンターの末裔……なんて裏設定が!?
そんなニャル子の戯言を真尋は思い出していた。
しかし、まさかと思う息子をよそに母は、「……はぁー。ムスコニウムが補給されていくよー!」と、真尋を抱きしめご満悦であった。
――ムスコニウム。それは周期表に記載のない謎の――誰得か分からない元素であるが、真尋の母はこれが欠乏すると弊害が出てくるのである――。
が、そんなことはともかく、彼女の正体とはいったい!?
またも宇宙規模の小事件に巻き込まれる真尋の運命は!?

相変らずの混沌ぶり。


非常に下らない理由で、非常に下らない世界観で、非常に小規模な出来事を宇宙規模でやるという、とんでも小説第4段。


今までは、なにかと付けて下らないながらも敵は意外と兄弟強大だったが、今回は今までで一番のどうしようもない宇宙規模のトラブルに巻き込まれる主人公。
しかも今度は親子で巻き込まれることになった。
また、その理由と敵がまたまたいつも通りで、あまりにも下らない宇宙規模の戦い?だった。


このあまりにもシュールながらおバカな展開を『宇宙〜〜』という単語で強引に宇宙規模にもっていく著者のセンス。
私にはよくわからないクトルゥー神話で強引に話を混沌にもっていく著者のセンス。
毎回毎回、あれが伏線だったのかと強引に思わせて、しかも作品内でツッコミさせるこのセンスは一級品だね。
そして今回もいつも以上に多かった、著者のギャグ。
それに乗っかる主人公とニャル子のもはや夫婦漫才ともいえる、ボケとツッコミのオンパレードは4巻になってだいぶ切れ味が増してきた。


この作品の見どころはこれらのノリにありますが、巻を追うごとに内容はお馬鹿で下らなくなっていくのに反比例して、このギャグの広さと深さは大きくなっていくというのを感じました。
もう、何も言うことはありませんね。
ひたすら笑って、脳内でツッコんで、読んだ後の爽快さ(??)を味わうのにはいい作品です。
壮大なストーリーを求めたら、読者の敗北ということで。
今回も楽しく読ませていただきました。


総合評価:★★★★