這いよれ!ニャル子さん4に見る著者のギャグのセンスと年代
- 作者: 逢空万太,狐印
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2010/03/12
- メディア: 文庫
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わずか1年弱で4冊刊行、DVD付きSP-BOXやキャラグッズなど、その展開はとてもデビューしたての新人とはいえない勢いです。
この作品の魅力と言えば、宇宙規模でありながら、そのとてつもなくスケールが小さいどうしようもない事件と、真尋とニャル子のコンビにクトゥグアも加わった、キャラ同志のなれあいだと思います。
しかし、さらに魅力を挙げるとすれば、著者遇空万太氏のとてつもなくスケールのでっかいようで、どうしようもないギャグセンスではないでしょうか?
クトゥルー神話には全く縁のない私ですが、このギャグのオンパレードとそのセンスには脱帽しております。
これが、混沌としている間に入り笑いを取ってくれます。
ということで、今回は第4巻で使われたギャグの元ネタを、私がわかる範囲で列記したいと思います。
以下、枠内は本書からの引用です。
なお、こちらでもネタ元を紹介している方がいらっしゃいますので参考にしてください。
というか、こっち ↑ を見れば十分だと思いますww
ということで、まずはWikiを見ないで私がわかる範囲で元ネタを探してみました。
P12
さぁ怪物君、あなたの罪を数え---
4巻から登場した新キャラ母親の台詞ですが、これはご存知仮面ライダーW(2009年〜放送中)の変身後のきめ台詞ですね。
元ネタは『さぁ、お前の罪を数えろ』です
P.30〜31
『ごく普通の高校生だった母さんは、ごく普通の大学に入り、ごく普通のゼミに入りました。ただひとつ違っていたのは・・・ゼミの教授邪神ハンターだったのです』
これも有名な台詞のパロディ。
元ネタは米国の有名なドラマ『奥様は魔女』より(1964年〜72年)
『ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました。 でも、ただひとつ違っていたのは……奥さまは魔女だったのです!』
このナレーションは余りにも有名ですが、これは日本で放送された日本語版にのみあったもので、本家のアメリカ版にはありません。
日本での放送は1966年より。
P.41
『欧米か』
お笑いコンビ、タカアンドトシの持ちネタですね。
P.42
レーザーアクティブ
これはそのまんまですね。
1993年に登場したパイオニアのLDプレイヤーを兼ねた珍機械。
なんと言っても失敗に終わったMEGA-LDが一応画期的だったな。
LDゲームは余りヒットしなかったが、1980年代に既にゲーセンで流れており、サンダーストームや、タイムギャルにバッドランスなどがあったが、ロードブラスターとタイムギャルがこれに移植されていたと思いました。
タイムギャルは今思うと理不尽なゲームだったなぁ・・・。
ロードブラスターは、もろにマッドマックスだったしね・・・。
P.46
マスターシステム
これはSEGAの初期のマシン。
セガ家庭用ハードはMARK1〜MARK3まであったが、MARK3のマイナーチェンジ版がマスターシステムです。
MARK3の拡張装備フル状態とほぼ一緒で、ソフトはMARK3と互換性がありました。
登場は1987年だが、1988年にはMEGAドライブが発売されるため、その生涯は短命でしたね。
P.48
カプセル怪獣のシャンタッ君
カプセル怪獣は説明するまでもない、ウルトラセブンに変身するモロボシ・ダンが持っているもの。
モロボシ・ダンが何かの事情でセブンに変身できないときに、カプセル怪獣に代理を頼みます。
ミクラス、ウィンダム、アギラの3匹が存在しますが、実はカプセルは5つあり、2つは空らしいです。
P.75
ロイガー通信社
おそらくロイター通信のことだと思う。
P.85
ファミリーベーシック
1984年登場のファミリーコンピューターの周辺機器。
ファミコンにさすBASIC言語カセットとキーボードがセットになったもの。
インタプリタ方式のBASIC言語が使えるのだが、当時はPC-6001、FM-7、MZ-700の8bitパソコンが全盛期で、わざわざこれでBASICをやるまでもなかったし、メモリが相当少なかったように思える。
結局普及せずに終わった。
ただ、スプライトを供えていたのは家庭用とはいえ侮れない。
P.86
『ピックマンとか昔はやりましたね・・・』
『続編のピックランドになると』
話の前後のスジからして、パックマン(1980年)とパックランド(1984年)と思われる。
両方ともバンダイナムコ(当時はナムコ)のゲーセン用の作品で、パックマンは世界的に有名になった。
パックランドはパックマンを題材にした、横スクロールのアクションゲーム。
レバーがなくボタンが3つだけで、右に進むボタンと左に進むボタンとジャンプの3つで操作する。
これは当時としては斬新な操作方法だったと思う。
パックマンは近いうち、ハリウッドで実写映画になると聞いているのだが、どうなったんだろう。
P.91
『全滅・・・3分持たずに・・・』
機動戦士ガンダム第33話『コンスコン強襲』(1979年)で、12機のリックドムがアムロたちホワイトベースの機動部隊にあっさりやられてしまったときに、敵将コンスコンが言った台詞。
P.94
『うふん「YES/Noクッション」です』
『ネクロノ未婚さんいらっしゃい』
ご存知長寿番組『新婚さん いらっしゃ〜〜い』(1971年〜放送中)に商品として登場するのが『Yes/No枕』です。
ちなみに使い方は本文でニャル子さんが言ってるとおりですww
P.96
『殴っていいのは・・・、殴られる覚悟のあるヤツだけ・・・』
コードギアス反逆のルルーシュ(2006年)第8話『黒の騎士団』でゼロが言った台詞。
『撃って(討って)いいのは、撃たれる(討たれる)覚悟のあるヤツだけだ』を変えたものだと思います。
P.127
『蕃神×蕃神』
よく長期で休載するらしいし、同じ作者の前の連載で出版社ががっぽり儲かったということから、 『ハンター×ハンター』でぢょうね。
私は当該作品も、その前の作品も読んでませんが。
そほあと出てくる『ふたりはプリトヴァ』いついては良く分からんww
というより、ツッコミたくないな。
P.132
『少年は特異点なのかもしれない・・・』
仮面ライダー電王(2007年)での主人公の特殊な設定ですね。
p.159
真尋のアッパーカットがニャルラトホテプのあごを真芯で捉えた。空に勝利の虹がかかるかのような美しいフォームだった
リングにかけろ(1977年)で、主人公『高嶺竜児』の必殺技『ウィニング・ザ・レインボー』でしょう。
p.193
『真尋さんと初めてお会いした『初めての夜(ビギンズナイト)』の事を』
2009年12月公開の仮面ライダーWの劇場版サブタイトルでもあり、物語中で翔太朗とフィリップが始めてであって、仮面ライダーWになった夜の事です。
P.193
『・・・言葉の意味は良く分からんが、とにかく凄い物質なんだな』
キン肉マンが『屁のツッパリはいらんですよ』と言った際に返されるツッコミで、『おお、言葉の意味は分からんが、とにかく凄い自信だ』と言います。
この台詞は原作にはなく、アニメ版のみです。(1983年)
ちなみに『屁のツッパリ』ですが、屁は突っ張ってもまったっく力になりませんから、総じて『余り役に立たないもの』と言う意味です。
P.209
『あ、シートベルトはちゃんとしてくださいね。最近は罰則も厳しくなったんでね』
2008年道路交通法改正により、助手席だけでなく、後部座席もシートベルトの着用が義務化されています。
P.209
『・・・レッドキャニオンや、ファイヤーフィールドは攻略できるんです』
記憶に間違いなければ、ゲームF-ZERO(1991年)のステージ名称だと思いました。
P.213
『その惑星の記憶を引き出してUSBメモリに封入、それをとある町に流通させて・・・・』
またまた登場、仮面ライダーW。
仮面ライダーWのメモリはUSBではないが、ガイアメモリの接続部分がUSBにそっくり。
とある街に流通とは、仮面ライダーWの舞台となる風都の事でしょうね。
この番組に出てくるミュージアムは、地球の記憶をガイアメモリに封入し、街に流しています。
しかし、著者は仮面ライダー好きだなぁ〜〜〜〜
P.237
『まひろくんと・・・・・・がったい、したい』
うん、説明不要でしょう。
アクエリオン(2005年)ですね。
P.252
宇宙連合の議長だって殴ってみせる。ただし、真尋のフォークだけは勘弁だが
これも有名な台詞ですね。
A-TEAMの『ボスコ・アルバート・バラカス』の自己紹介のときの台詞。
元ネタは『B・A・バラカス、通称コング。メカの天才だ。大統領だってぶん殴ってみせるぜ。でも、飛行機だけは勘弁な』です。
A-TEAMのメンバーは4人いて、それぞれが自己紹介しますが、全部日本放送版のオリジナルで本家アメリカ版にはありません。
またコングという通称も、日本だけで本家のアメリカ版にはありません。
全員が本名で呼び合いますが、フェイスマン*1だけは通称が存在し、本編でもそう呼ばれます。
リーダーハンニバルの本名『ジョン・スミス』は本名かどうかあやしく、またその真意は明かされてないです。
アメリカでの放送は1983年〜1987年ですが、日本では1985年から放送されてました。
日本でのタイトルは『特攻野郎Aチーム』。
P.266
『日本を中心に大ヒットした3D格闘ゲームがあったんだよ・・・』
これは、その後に『街の名前と活動したいたキャラの名前をくっつけて』という表現から、これはバーチャファイター(1993年)でしょう。
これは『御意見無用〜Anarchy in the NIPPON〜』(1997年)だと思います。
作ったのはメディアミューズで、実際にプログラマーとして池袋サラさんが参加していると言うより、当時はココの所属じゃなかったかな。
監修には新宿ジャッキー、柏ジェフリー、ブンブン丸などのバーチャファイターの上級者が参加していました。
媒体はセガサターンでしたが、まぁ本編にあるようにパットはしませんでしたね。
1年後にプレイステーションで続編が出てます。
P.271
スティギア・サセックス
もう、何も言うまい・・・スクウェア・エニックスですね。
しかしエニックス⇒サセックスなんて、ものすごい卑猥になっているよな・・・と思うのは私だけか?
エニックスってエロゲーも作っていた会社って、今現在どれだけの人が知ってるかなww
マリちゃん危機一髪とかwロリータシンドロームとかww
あの有名な『犯人はヤス』もそういえばここだったな。
対するスクウェアといえば、『Will -The death trap 2-』は今でも覚えてるよ。
ヒロインのアイシャが目覚めるときの瞬きするアニメーションシーンは当時は画期的だった。
その後にスクウェアが作ったといえばブラスティーかな。
あれは、ロボットアニメシーンが凄かったんだけど、8bitマシーンではむりがあったな。
とてつもなく遅くてゲームになってなかった。
P.281
『現状で10割だせる。偉い人にはそれが分からないのよ!』
まぁ、これはいまさら説明は要らないでしょう。
機動戦士ガンダム(1979年)のジオングの整備兵がシャアに言った台詞です。
P.296
『この街はやっぱりいい風が吹くよね』
これたしか仮面ライダーWでどこかであったような気がしたが・・・。
さて、以上が私がわかったネタです。
他にもネタじゃないかと思えるところは、これと同じくらいありましたが元ネタが分からないものは省きました。
もしかしたらそれ以外にも隠し要素はたくさんあったと思います。
ということで、結果は以下の通りになりました。
ジャンル別にみる著者のネタ傾向です。
今更ながら、ゲームに偏ってるなぁ・・・とww
しかしながら、意外にも多いと思うのはゲームは当然としても特撮系のネタ。
特に仮面ライダーは多かったようですね。
あとがきにも書いてありましたが、ご本人が結構ライダー好きなようです。
こちらは、扱ったネタを年代別に表わしたもの。
一番古いのは1966年で最新のもので2009年になります。
まぁ、なんとも幅の広い年代を扱っていること。
その中でも2005年以降はなにがしかのネタは1本入れてますので、ここら辺は新しい物好きとなりますが、1985年前後のネタも結構多いです。
ここら辺はゲーム関連ネタとかが結構多く、おりしもファミコン、セガなどがしのぎを削っていた時代。
このあたりの年代は、ネタとしては扱いやすいのかもしれません。
先ほどリンクしたwikiを見ればわかると思いますが、ここに出した4倍以上ものネタが仕込まれています。
このWikiを参考にグラフを作ってみるのもいいかもしれませんが、それは後ほどやれればということでww
実際にはゲーム以外にも、アニメ、マンガ(特にジョジョ)がいっぱいあります。
本当にネタをふんだん使った作品ですね。
さて、5巻はいったいどんなネタで仕込んでくるのか楽しみですね。
もちろん、本編の宇宙規模のどうしようもない小規模な騒動も期待しております。