ライトノベル『H+P -ひめぱら-6』

H+P(6)  ―ひめぱら― (富士見ファンタジア文庫)

H+P(6) ―ひめぱら― (富士見ファンタジア文庫)

神来恭太郎を奪われてしまったトレクワーズ王国では、魔法でロリっ娘と化したお姫さまたちが悲嘆にくれていた。
一方のカルタギア帝国。
恭太郎を捕らえた幼女帝・カリギュラは、大喜びであることを彼に命じるが……。

前回、策略にはまって捕えられた恭太郎のカルタギア帝国での生活編。
カルタギア帝国は恭太郎を王仕として捕えたので、当然アレなことをしてもらわないといけないのだが、そもそもカルタギア帝国の女帝は幼女。
そんな幼女帝とあんなことやこんなことをするのだから、問題ありまくりの内容・・・・かと思うところだが、何分恭太郎がかなりの昔堅気な人で、いまどきの思春期真っ只中では珍しいくらいの型物。
そんな破廉恥な行為があるわけない。


今回カルタギア帝国編になって、初めてあらわになったカルタギア帝国側の描写ですが、今まで悪として扱われていたのにもかかわらず、なぜか読んでいて『いい奴らじゃん』と思ってしまったのが不覚にもあったww


まだ一人未登場だが、4将軍も本編で散々攻めてきた割には、今回はかわいらしい。
まぁ、元々ドジ踏んだりツメが甘かったりして、いつもいたい目を見ていた人たちなので今までもそこまで憎いキャラではなかったのだが、今回でなんか180°印象が変わった


それは幼女帝カリギュラにも当てはまるわけだが、結局最後は恭太郎とあんな関係になっちゃってww、今回出番が少なかった、トレクワーズの姫様たちとの関係性が非常にもろくなりそうな展開。
まぁ、それもこれも恭太郎の朴念仁ぶりとお人よしがなせる業だ。


描写的に、昨今の情勢でやばいだろうと思うところあれど、それらをうまく利用して物語をやっている著者風見周の秀逸さが光ったかなと思いました。
ただ、これだけカルタギア帝国が悪い集団でもなかった一面を見せられると、恭太郎が無理してでもトレクワーズに戻る必要性がないと感じてしまい、今後の物語展開はどういう風に持っていくか見ものです。
やりようによっては、面白くない方に転がっていくかも知れないので注意がいるかも。


総合評価:★★★☆