ライトノベル『俺の妹がこんなに可愛いわけがない6』

俺は、悪の魔の手から妹を取り返した・・・なんて大げさなことはない。
単純に留学でアメリカに渡った妹『桐乃』からのメッセージを、純粋にSOSと受け取ったので強引に押し掛け、そして連れ帰ってきただけだ。
反発されると思いきや、あっさり俺の言うことにしたがって一緒に日本に帰ってきた。
もしかして、これは実妹フラグが立った!!
しかし実際にはそんなこともなく、ただ単純にいつもと変わらぬ日常が続いている。
やっぱり妹は外見可愛く、成績優秀、スポーツもできるまさに完璧な妹・・・なのだが、俺からすればちっとも可愛くない。
もっと可愛くなれよ。
え?なに?キモイって・・・!!


そんな俺と、可愛くない妹との付かず離れずのほんわか?コメディ第6弾。


今回は『兄貴、オタク化進行きわめて危険』『兄貴、マネージャーとして再び参戦』『兄貴、妹の友達に必要以上のフラグ立て』『兄貴、妹の友人を見てロリコン自覚症状か?』の4本立てで送るぜ・・・

前回の黒猫に続き、今回は沙織ターン。
いや、前回桐乃を強引に連れて帰ってきたので、なにかあるのではと思ってましたが、予想以上に何もなかったですね・・・。
しかし、今回はそれ以上に沙織のことが大きく取り上げられた。


沙織の話はなんといっても昔ながらのパターンをいく王道のような展開なのだが、そこをただの王道で済ませないのが"伏見つかさ"と愉快な仲間達ww
まさかの活字の文字大に加えて強調フォントを使ってあのセリフは予想外。
これ、小説だからこそできる荒技ですが、アニメだとどうするんでしょうかね。
しかし、これのおかげで予想以上に沙織のアレが強調されています。
なんだか、沙織も京介争奪戦に参戦しそうな勢いなんですが、この作品イツからそういう系統の作品になったんだ?
まぁ、元々沙織は京介に良いイメージを持っていましたので、この調子だと強烈なライバルになりそうです。


で、現時点では5巻の勢いのおかげでまだかろうじて一歩リードしている感のあるKURONEKO様ですが、今回は影が薄かった。
でも、あのわざとらしい京介のベッドシーンwwというピンポイントでいいところを魅せてます。
なお、このシーン『黒猫は素でやったのか?それともわざとだったのか?』で意見が割れています。
著者伏見つかさ先生は『どちらにも取れるようになってます』といってましたが、私はあえて第3の考えです。
それは『素でやってしまったがわざとだった』というどっちつかずの考えです。
おそらく最初の京介の部屋に入る直前までは、素だったのではないかと思っています。
そこでハっと気がついた瞬間に、桐乃への対抗心から、ちょっと面白い事を考え付いたのではないでしょうか?
それで、以降の展開になったと思います。


そして、最強妹伝説の桐乃ですが、今回短編4本において何気に危機感を感じているシーンが色々。
まずは例の黒猫のシーン。
同じ高校の先輩後輩と言うだけでなく、同じ部活。
そして京介の部屋に入り込んだ黒猫の先制攻撃から知った、アメリカ留学中の間の兄と黒猫の関係。
これを目の当たりにしてさぞあせった事でしょう。


そして、元々好感度が高く設定されていた、沙織の思いがけない王道展開のクリティカルヒット
なんだかんだ言っても桐乃は京介の妹です。
そして、京介は桐乃の兄です。
イマイチつかみ所のない兄妹でも、留学先からつれて帰ってきたり、いざというときに父親からかばったり、実は妹の一番の理解者である兄。
ということは裏を返せば、桐乃は兄の一番の理解者でもあります。
性格がいい沙織は、京介の第1印象ばっちり、しかし容姿のおかげで気の許せる友人だった間柄なのに、この奇襲攻撃は兄の気持ちをぐっと沙織に近づけます。
兄の一番の理解者であるが故に、すぐに気がついたのでしょうね。
ここは黒猫もあせっていましたね。
でも、二人とも素直じゃないな・・・。


これだけではありません。
今回はほとんど出番がないですが、この2人を凌ぐ強敵"麻奈美"の存在は常に桐乃を脅かしています。


そんな想いが爆発したか、それとも裏があるのか最後の最後で桐乃の最終攻撃が・・・。


どうも裏がありそうな感じだけど、一応気になる引きで終わりました。
しかし、この6巻である程度のキャラについての個別掘り下げは終わったと思います。
でていないのは麻奈美くらいかな。
麻奈美の出方と桐乃の発言の真意がどう出るのかが、今後のポイントでしょうね。
次回が楽しみになる6巻感想でした。


総合評価:★★★☆