ライトノベル『こいびと以上、ともだち未満 はぶてる彼女』
こいびと以上、ともだち未満 はぶてる彼女 (こいびと以上、ともだち未満シリーズ) (スーパーダッシュ文庫)
- 作者: みかづき紅月,双龍
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2010/05/25
- メディア: 文庫
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さて、この作品。
中に込められたメッセージとは一体なんだったのか。
『田舎って、ものすごい旧態依然して、いまどきはやらない』
『田舎みたいな頑固な考えこそ、今の日本には必要なのかも』
この作品、田舎の表現が極端すぎると思うなどと思っていたら、とんでもない。
私の知り合いは九州出身だが、知り合いの実家ではその知り合いの父と母、そして一家を継いだ知り合いの兄とその妻が住んでいる。
知り合いは実家に自分の妻を連れて帰ったが、風呂の順番が家長である父⇒長男⇒その嫁・・・というように決まっているとか。
その知り合いの妻は余りにもギャップが違いすぎて初日にいやになったとか言っていた。
そう、実際に田舎では、今でもこの物語のような地域も存在する。
私の母の実家の地域も実はそんなところがある。
田舎と都会はこれだけギャップがある。
インターネットがこれだけ普及しても、携帯電話が普及しても、テレビが24時間番組を流しても、今でも一部に考え方の違いがあるという事。
ヒロインはそんな考え方に苦労して、都会から来た従兄弟である主人公と反目しながら、時には協力しながら一生懸命やっていく物語。
なんだか、とてつもなく凄い世界観の物語に聞こえるが、内容は田舎丸出しの『いまどきいねぇよ』という人間の集まりが田舎側とすれば、昨今の萌え・オタク文化が都会的な新しい流れという、なんとも極端な田舎vs都会のほんわかコメディだったりするww
結局、なにが言いたいのかというと、田舎と都会どっちがいいのではなく、田舎も都会もお互いいいところがあるから、その両方を取り入れていくのが、本当に賢い人間なんだということなんだと思う。
著者のみかづき先生がこういいたかったのかどうかは分かりませんが、私的にはこういう作品に見えました。
そういったテーマをムリに壮大にせず、哲学的にせず、わかりやすく萌えとオタク文化と、ちょっぴりエロを含めて、薄味でさらっと仕上げる腕前が今回は良く光ったかなと思います。
良作ではないでしょうか?
総合評価:★★★★