ラノベって大人が読まないのか?

某新聞社系のラノベの扱いを書いた記事で、ラノベ読者の間から議論が起こっているようです。


それで、その当該記事を読みました。
内容的にそこまで大々的に書かれてはいませんので、この記事をすべて鵜呑みにした前提でかきますので、だいぶ違ったことを書くかもしれませんが、そこはまぁ大人的対応でお願いいたします。
私が読んだ記事は『ライトノベルは今』と題してますが、この記事を読んでまず記事として何を言いたいのかちょっと私なりに考えてみます。

1.元ラノベ作家(この言い方も微妙だが)が一般文芸に進出しだした。
2.ラノベの根底は、実は日本を代表する時代小説と骨格は一緒である
3.ラノベ作家には一般でも十分通用する素質がある作家がたくさんいる

これらが考えられた。
さて、これを受けて私なりに解釈すると結論はこうなった。

1.ラノベは一般文芸への登竜門
2.ラノベは大人よりももう少し低年齢の世代に向けた文学
3.ラノベと一般は別物

なんだろう、ラノベというジャンルそのものがまさに"ライトなノベル"ということで軽く受け流されている。
そもそも、私はラノベをよく読むけど、大人が読むのは一般文芸で、ラノベは大人は読まないみたいな書かれ方をしている。
ということは私は大人じゃないのかww
やばいな、私は主としてラノベを書いている、ほとんどすべての作家さんより年上なんだが・・・。
私より年上のラノベ作家さんは、年齢等を公開されている人に限れば、それこそ片手でさえ余る。
私より年下のラノベ作家さんを数えたら、両手でも足りない。
(このネタ分かる人は少ないだろうなぁww)
ましてや、その作家さんより年下が多い読者層では、私はまれにみる高齢に属すると思うんだけどね。
でも、私と同年代でラノベが好きな人はまだまだいると思います。
なので、この記事は年齢区切りを決めつけて書いてしまっているところが気に入りませんね。
そして、ラノベ作家は一般に転身すると言った、ジョブチェンジのような書き方もなんか変。
ラノベ作家だろうが、時代小説家だろうが、それこそ直木賞作家だろうが作家は作家でしょう。
たとえば直木賞とった作家さんは、ラノベ作家を見下したりするのかな?
私は作家ではないので知りませんが、少なくともそう思ってないと信じています。
しかし、この記事はあからさまに『ラノベ作家<<<<<一般文芸作家』というような書き方ですね。
書く内容とかに大きな違いはあれど、同じ文章で食べている人たち。
その作風に合わせて書くのがプロであって、ラノベ作家でも一握りの作家は、一般でも通じるようになると決めつけるのはどうかなとか思ったりもします。


まぁ当該記事を書いた担当の記者は事実をありのままに書いているのであって、そういう流れであるということでしょうが、知らない人は『ラノベ=低年齢層が読む軽めの文学』という認識が植えつけられてしまうのがちょっと怖いかも。
確かにラノベはハーレムやら、エロコメやら、お約束のテンプレばかりやらの作品が多いし、内容も似たりよったりが多いですが、それでも一つの正当な文学表現でもあり、そこで一生懸命書いている人もたくさんいるのだから、こういったイメージを植え付けるようなものは嫌です。
しかも『ライトノベルは今』と銘打っておきながら、私が読んだ部分にはラノベのラの字も出てこない。
これは"ラノベという作品はジャンルとしては認知度がすごいという建前を利用して、記事を沢山の人に読ませようという魂胆があり"なんて思われても仕方ない。


最後ですが、ラノベの凄いところってなんだろう。

・時は江戸幕府全盛期。いきなり魔法使いが現れ、あらゆるサムライを火炎魔法遠距離攻撃でバッタバッタとなぎ倒す。
・密室殺人事件の犯人は実はロボットで、遠隔操作で鍵の開閉が自由にできる。
・ごく普通のサラリーマンが、通勤電車で痴漢に遭っている美人を助けたことから二人のラブストーリーが始まる。しかしその美人は実は男の娘。
・現総理大臣の愛人スキャンダルが、野党の手で暴かれようとしている。それを防ぐため政府内閣特務調査室が、あらゆる頭脳と肉体を駆使し隠ぺい工作を画策する。でも、その特務調査室長は小学生の女の子。

さてこんなものを書いていましたが、これが時代小説で出せますか?
本格ミステリー文庫で出せますか?
本格恋愛文庫で出せますか?
一般文芸誌で連載できますか?



たぶん無理ですよね。
でも、書きようによってはラノベならできると思うんですよ。
そう、これこそラノベの特徴であり、魅力であり、最大の強みだと思うんですよね。
この記事を書いた人も、せめて2冊くらいラノベを読んでから記事を書いたら、もう少しラノベの見方も変わったかもしれない。