読書の秋強化期間 ライトノベル『はぐれ勇者の鬼畜美学』

同一レーベル連続紹介 HJ文庫特集第5弾

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ) (HJ文庫)

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ) (HJ文庫)

よくあるファンタジーな物語。
ある時普通の高校生"暁月"は異世界に飛ばされる。
そこには人間と敵対する魔王が存在して、人間たちと争いを続けていた。
普通だったら、呼ばれたものは勇者となって魔王を倒し、一緒に旅を続けた美しい姫と結ばれ、そのまま幸せに・・・・・・・・・・・・・・・・・ということにはならなかった。
まぁ、とりあえず魔王は倒したのだが、この勇者は通称"はぐれ勇者"と呼ばれており、魔王を倒した功績をもってしても、その鬼畜ぶりには嫌悪感を抱く人が数多い。
そして、そのはぐれ勇者は魔王を倒したら、とっとと自分の世界に帰っていってしまった。
さて"はぐれ勇者"は戻ってきた自分の世界で一体なにをする気なのか?

どこかの文庫レーベルでも似たような設定があった、アフター物語。
魔王を倒してきた勇者が、自分の世界である目的のために暴れるある意味ファンタジー学園異能物。


この主人公"錬環頸氣功"というものを習得しており、かなりの使い手。
まぁこの氣功がまた便利な代物で、自分の気を高めて攻撃力を高めたり、瞬発力を高めたり、防御能力を高めたり、もうなんでもありの便利アイテム・・・ならぬ便利能力。
さらにすごいのは、この技は自分だけではなくさわった相手にも掛けられるということ。
更なる便利能力ww
その能力は相手の尿意を促進させたり、優しく●っぱいを揉んだり、相手が気がつかないうちにブラ●ャーを外して抜き取ったりと・・・。
これを使って、まさにタイトル通りの美学を貫く主人公。
傍から見ると確かに"鬼畜"なのだが、その美学の所以を知るとさほど鬼畜な野郎には見えない。


さて、ここまでだと単なるエロイ学園物にしか見えないのだが、この物語は主人公に大きな魅力があるというより、芯がしっかりした主人公であるというところがある。
どういうことかというと、芯がしっかりしており、分の考えをもって行動している。
それはその先に目的があるから。
その目的があるので主人公が進む道がぶれないのである。
主人公が進む道がぶれないのであれば、それを書く著者もぶれない。
まずは主人公で一つの骨格をすべて作れば、後は物語の面白い部分を骨格に肉付けすればいいのである。
この肉付けが著者のセンスを必要とするが、そこがエロスであり、美学であり、バトルシーンであり。
これらが、バランス良く上手に書かれている。
主人公がすべてに於いて中心となっているため、他の登場人物も主人公に絡んだ時点で読者に認識してもらえて、各キャラへの思い入れも強くなるということ。


そんな、ある意味骨太の物語。
結構面白く読めました。
総合評価:★★★☆


ちなみに2巻も刊行されています。

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ)? (HJ文庫 う)

はぐれ勇者の鬼畜美学(エステティカ)? (HJ文庫 う)