『トッカン―特別国税徴収官―』
- 作者: 高殿円
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2010/06/24
- メディア: 単行本
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ドイツに行ったときに読みましたが、これは面白かった。
昔あった「マルサの女」という作品がありましたが、簡単に書いてしまうとこれと似たような系統ながら、職業としてはかなり違うモノ。
マルサは国税局の査察部なのだが、この物語の主役が扮する職業"特別国税徴収官"というのは、マルサのはるか上を行く税金の徴収官なのです。
指導する立場(こちらがいわゆる特別国税徴収官と呼ばれる)人の元にお付として配属された"特別国税徴収官付き"のヒロインの苦労と涙と笑いと、特別国税徴収官という職業がどんなものなのかを綴る作品。
物語は小出しにいくつかのエピソードを絡めて税金の徴収裏表から、そこから見える未納税者の人間性と国税徴収官の人間性。
そしてヒロインの成長と、気難しい上司との付き合い方などをスピーディかつ、丁寧に書かれている。
そして忘れてはいけないのが、この作品の著者は高殿円女史であること。
個人的に彼女の画作品は私的に読みやすくて大好きなのだが、この作品でも所々に高殿節満載。
プリンセスハーツは立場上、少々少女向けになっていることは仕方ないが、この"トッカン-特別国税徴収官-"は年齢問わず性別問わず、面白く読んでもらえると思う。
値段はちょっと高いですが、個人的にはオススメできる作品です。
評価:★★★★☆