2011年2月12日の鉄道の話題

2月12日はなにかと話題が多かったようです。


15秒で完売『みずほ』一番列車


なんと新聞にまで載りましたが、どうも一般人には理解できないらしく、鉄道掲示板に『これはどういうこと?』という書き込みが多発してます。
さて、たかが特急のチケットが15秒で完売する事が稀なのかどうかということですが、別に普通の事です。
これはいわゆる10時打ちという現象によるもの。
特急券というのは、運転日の1ヶ月前の午前10時に一斉に販売開始されるのです。
つまり2月12日の完売騒動は3月12日に走る列車の事。
その特急券は2月12日の10時から出るのですが、切符が買える買えないは実は窓口の操作係の腕によって変わります。
マルスという端末がJRの窓口を中心に配備されていますが、ここから条件を指定してホストコンピューターに接続します。
もし、条件に見合った列車があるならホストコンピューターに繋がり、接続できなければ該当列車は満席ということです。
今回はみずほ一番列車というごく狭い範囲の条件を打ち込み、その条件でホストコンピューターに接続するのです。
もし、みずほ一番列車が満席ならばつながりません。


さて、ここまで書いたらふと気がつくでしょうか?
つまり満席というのは、みずほの乗車人数分のマルス端末が、2月12日の朝10時から15秒以内にホストに接続されたということです。
それは全国からですから、みずほ一番列車の人数以上に切符を買いたい人がいれば売り切れます。
では、マルスを操作するのはだれ?
それは窓口の係員です。


たとえばみずほの乗車人数分の切符が300人分として、窓口に買いに来ているひとが1000人いたとします。
その1000人の希望を受けたマルスの操作係員は当然1000人います。
その1000人の窓口係員は2月12日の朝10時前に、みずほ一番列車へ接続する準備をします。
そして10時の時報がなった瞬間に、全国一斉に窓口の係員が接続ボタンを押します。
そのスピード競争は1秒以下の世界。
当然つながる人数は300人ですから、700人はつながらずということです。
そう、マルス操作の係員ひとつにかかっているのです。
ボタンを押した瞬間にホストにつながらなければ『はい終了〜〜〜〜』となります。*1


これが15秒で売り切れたからくりです。
こういった現象を鉄道マニア用語で10時打ちと呼びます。

*1:正確にはつながっても売り切れとなる