ライトノベル『生徒会の水際』

短編集もこれで4冊目。
今回は真冬のクラスの1年C組、杉崎が生徒会に入る前の1年生時代の話。
そして、フィギュアのだらだらとした会話と知弦さんの一人相撲ww


本編より面白かった。
本編がおわりそうなので、あえてこっちに面白さを求めるのもいいが、本当にこっちのシリーズのほうが面白い。
たぶん、本編がマンネリしてきたのとはちがって、こっちは脂がノってきたのではないかなと思います。
特に杉崎たち以上に変態な集団1年C組には笑わさせてもらいました。
このクラスの中心は秋峰という男子生徒。
彼の恋のから回りっぷりと、他の生徒が絡む複雑な関係は読んでいて楽しかったというより、青春だねぇ〜〜と遠い日を見ている感じです。
この作品、そういった恋愛事情に疎いとか不器用な人間が多いけど、それが複雑に絡み合ってコメディタッチに描かれる物語が良くできているんだなぁと思いますね。


そして、杉崎の1年生時代に登場する新ヒロイン水無瀬はこれまた凄いキャラです。
知弦以上のドSっぷりで、とくに杉崎に容赦ない。
杉崎以外の生徒会メンバーが杉崎が3年生進級時にいなくなるので、もし物語がまだ続くのならば、来年入学するであろう林檎と並んで新しい核となる人物になったかもしれないと思うと残念です。
なかなかのキャラで面白い人でしたね。
今後も出番があるのかないのかは分かりませんが期待したいです。
個人的には、もっと早く登場させていれば、生徒会のメンバーもウカウカしていられないいいキャラクターになったかなと思いました。


知弦さんの一人相撲編はなんか知弦さんらしくないキャラの思わせぶり。
彼女も一人の恋する乙女・・・と思えるようなww感触でした。
まぁそのなんだ、それで盗聴するというのが知弦さんらしいといえばそうなんだがねぇ。
この人もあせったりする事がありますが、他のキャラと違って落ち着いているときとのギャップが一番大きいのがこの人の一番の萌え所なのでしょう。
その慌て振りが全て杉崎関連というところも、萌え所なのかもしれません。


キャラクター配置と絡み具合が上手くまとまった1冊でした。


総合評価:★★★★


ところで、このシリーズ日に日に後書きのページ数が増えてませんか?
まるで作者いじめのような・・・
で、著者はどこに行ってしまったんでしょうww