半熟作家と"文学少女"な編集者

すでに20代も半ばの遠子が文学少女とはww


これで最後の文学少女
今回は大学を卒業して編集者になった天野遠子と高校生ながらデビューした若い作家との物語。
高校生作家の痛すぎる感性と、いつまでたっても変わらない天野遠子の文学を愛する心の交わり方が、前編通してとてもコミカルに描かれています。
この人のコメディ表現は別の意味で痛々しい部分があるんだけど、今回に限ってはそれがうっまく回ったね。
そして、遠子に導かれ半熟作家こと快斗くんが一人前の作家に向かって成長していくのおおは、まるで文芸部時代の遠子と心葉を見ているようだった。
ただ、心葉くんはここまで痛い人ではなかったですけどねww

構成も短編連作でグイグイ進み、締めるところはきちんと締めてあるところは、このシリーズ通して一貫しています。
それにしても、野村美月先生の作りこみはいつもながら丁寧で見事ですね。
書く前の下ごしらえがしっかり生きているからこそ上手に作品が書けるからだと思います。


これで文学少女シリーズは最後になりましたが、すでに新シリーズの立ち上げも順調に進んでいるようなので、そちらも期待しています。


総合評価:★★★★





ところで、天野遠子が紙を食べるのは何故だったんだ?
父親がそうだったのはわかっているんだが・・・・・
まぁいいか