真サムライガード メイド剣士参上……っていうか、惨状

内容一新


清海編が終わって、新たな任務に就く愛香と毬藻。
いろいろ変わって心配していたことが続々と押し寄せてきた。
まずは絵師が変わりました。
今回の絵は別にレベルが低いとかではないのだが、適材適所というものはある。
もともとサムライガードという作品は、舞阪氏の独特な脱線振りとこれでもかというくらいに押し寄せる駄洒落の数々。
それなのに、意外としっかりしたチャンバラであったことが、この作品の魅力であったと思っていたのだが・・・
なので前の椎野師の絵は気に入っていたのです。
今回から担当する絵は、いまどきの萌え系。
このシリーズのコンセプトにはいささか不釣合いのような気もする。
ならば、このシリーズ新展開を迎えると同時にそっち系に走るのかと思ってみたら、これまた違った。
舞阪氏のあの世界観は生きているようなつくり。
今回も本筋は文庫本の後半半分が本命だった。
前半はおまけですねww
一応それは狙ったような感じなんですけど、最初から最後まで基本スタンスはサムライガードだったなぁ。


コンセプトが変わらず絵だけ変わるのは、ラノベではかなり不利になるとは思うのだが。


そして、もうひとつが清海の退場による、キャラつりあいバランスの崩れ。
清海は物語では重要なツッコミ役だったのに、やむなく退場。
予想通りツッコミ不在になってしまった。
愛香や毬藻がツッコミに回ることもあるのだが、清海の変わりになれるほど強烈ではなかった。
ツッコミとボケがころころ変わるのは、物語のスピード感とバランス感が崩れてしまうかも。


折角の7巻まで盛り上げたいいシリーズだったけど、この方針転換が吉と出るのかはまだわからない。
ツッコミ不在とはいえ舞阪氏の筆力で、最低限の体裁を保ったように伺える作品でした。


総合評価:★★☆