謎解きはディナーの後で

謎解きはディナーのあとで

謎解きはディナーのあとで

お嬢様の目は節穴でございますか


借金を大量に抱えた執事に、黒い執事。
全国津々浦々、執事あれど主人に対し口の悪く態度のでかい執事もいたものだ。
超がつく宝生家のお嬢様、宝生麗子は国立署の刑事。
そんな宝生家に仕え、彼女のサポートをするのが執事の影山。
ある日、宝生麗子は難事件を抱えたのだが、何気に執事に話してみると、こともあろうに麗子の話を聞いただけで犯人がわかってしまった。
挙句の果てに、行き詰ってわけがわからなくなった麗子に対して『あほですか』『節穴ですか?』『それでもプロの刑事ですか』などと、主人に対して暴言を吐く始末。
そこから、お嬢様刑事とこの性質の悪い?執事との推理ショーが始まった。


なんでも本屋大賞ノミネート作品とのこと。
構成は短編連作で、短編のみで事件は解決する。
だいたい、

事件発生→現場で麗子と風祭警部が情報収集→捜査は難攻→麗子帰宅→執事に事件の内容を話す→執事が推理して犯人判明

このパターンです。
内容としては気軽に読めるライトノベルに近い構成感覚の推理物ですが、本格的な推理物と比べると、劣るのも無理はないし、そういう作品が好きな人には軽くみられるかもしれない。
なので、本格的ミステリーだと思って期待してはいけないと思います。
この作品は気軽な推理物として前提があって、お嬢様と執事、並びにそれらを取り巻く環境を若干コミカルに書いた作品で、ミステリーを楽しむというより食事をしながら推理をするような気軽な感覚で読むのがいいと思います。
笑いながら、最後に影山が推理を終了するまで、きちんと読みつくしましょう。


そんな気軽に読めるお手軽ミステリーとでも言っておきます。
本格ミステリーと思わなければ、結構面白い作品だと思います。


総合評価:★★★