デッドエンドラプソディ

デッドエンドラプソディ (講談社ラノベ文庫)

デッドエンドラプソディ (講談社ラノベ文庫)

講談社ラノベ文庫の新人。
佳作ということです。


通り魔によって妹の目の前で殺されてしまった主人公が、妹の力で10年経ってからよみがえるというもの。
妹は巨乳で同い年に育ってしかも最強の魔術師となった。
そのおかげで主人公は生き返ったのだけど、この作品設定がネタっぽい割には、内容は微妙に軽いようで結構重いです。
主人公のせいで、妹は大好きな兄を生き返らせるために魔術師に、そして家族とも仲が悪くなり、兄を生き返らせるために人生を魔術にささげることに。
さらには人間を行き返させる行為が異端であるというエクソシストや、ゴーストバスターまで登場し、人間の生と死を考えさせるちょっとハードでシリアスに感じた。


新人ながら、ちょっと変わった系統の作品だけど、全体的に読めない作品じゃない。
ただ、ところどころ荒削りなところも見られたし、特に最後のあれはちょっとだけどうしてそうなったのかが読み終えてわからなかった。
次回に続くのであればいいのだが、今回限りだとなにか余計なところを感じてしまう。


それから絵師ですが、こちらも新人ということです。
なんというか、もっとがんばれというのが本音。
作家、絵師ともに将来性があるだけに今後に期待ですが、この作品に限れば後一歩かな。
軽め美少女ハーレムが主流のラノベでは、同じ方向性だと苦戦は必至かも。