この家に勇者様もしくは救世主様はいらっしゃいませんか？！１

この家に勇者様もしくは救世主さまはいらっしゃいませんか?! 1 (一迅社文庫)

川口士のデビュー間もないころの作品「ステレオパワータイプ」のリメイクがこのシリーズ。
改題されています。

さて川口士といえば、正統、王道なファンタジーを書くことで知られていますが、このシリーズはそれらとは打って変わってヒロインてんこ盛りのドタバタ劇。
異世界を救い、宇宙を救いという何でもこなす主人公だが、最近これに似た作品ありましたねホビー○○○○あたりでｗｗ
作品としては、こっちのほうが後から出ていますが、リメイクされる元となった作品は2007年ですのでこちらが先です。

ということですが、このジャンルはなにかもっと前に古典的な作品があるらしいということで、それが元になっているかと思います。*1

さて、川口士は当時すでにファンタジアの大賞をもらっておりデビューしています。
この系統の作品は一瞬違った世界を行ったりきたりしているようで、実は何かのつながりがあったというのがお約束です。
それはそうですが、そういった作品の場合展開が広くなり支離滅裂になりやすいかと。
ましてやラノベの場合はさらにお約束として救った世界ごとにヒロインが登場するわけですから。
しかし、そこは鬼才川口士。
要所要所は締めて物語をきちんと収束させます。
もともとファンタジーが得意な作家さんなので、それ以外のジャンルだと荒削りになりやすいのですが、基本的な文章の構成がしっかりしているので、物語がうまく回って面白くなっています。
私はリメイク元を読んでいませんが、このリメイク版はなかなか面白いかと思います。

*1:その作品のことはよく知りません