俺のかーちゃんが17歳になった
- 作者: 弘前龍,パセリ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2013/07/10
- メディア: 文庫
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その女子高生から発せられた言葉が「隆史、おかえり〜〜」と来たものだから当の隆史は驚く。
そこにいたのは17歳になった実の母親だった。
17歳教という新興宗教団体で儀式を受けると、肉体が17歳になるというらしい。
自分と同い年になってしまった実の母親と息子、そして引きこもりの妹が繰り広げるホームコメディ。
この作品最初から最後までホームコメディだった。
そもそも前提からして、17歳の体になるという儀式を行う"17歳教"という、どっから見てもファンタジーな組織が存在するにもかかわらず。
さて、この作品前段のとおりホームコメディです。
母親が17歳になってしまったことに驚きを感じつつも、肝心な部分にはまったくのノータッチです。
つまりは17歳になる怪しい宗教儀式団体のことは噂上だけで、本編にまったく絡みません。
ただ母親が17歳になったという事実のみ。
この事実を元に話が進みます。
そこがかえってよかったかもしれない。
ある意味、宗教儀式が余計に思えるほど、本編からはずすことによって終始ホームドラマに集中できたことが、この作品をよくしていると思います。
主人公隆史を中心に、彼女、妹、母親そして○○まで、いろいろな人と家族というものについてふれあいを描く、いまどきのラノベでは珍しい傾向の作品かもしれません。
ホームコメディだけに、安心して読めるいい作品だと思います。
ただ、内容が内容だけに続刊は難しいでしょうね。