新百合ヶ丘で珍しい光景

先日、経堂で多摩急行快速急行の通過待ちをするということを紹介したと思います。


実は小田急にかかわらず、鉄道会社にはダイヤが乱れた際の復旧をする裏ワザというのがいろいろありまして、先日の経堂での快速急行通過待ちというのは、小田急でダイヤが若干乱れた際にやる方法でして、主に多摩急行が遅れた際にやる技です。
小田急の下りは快速急行多摩急行の7分後に代々木上原を出発して追いかけるのが基本ダイヤですが、多摩急行が遅れた時は、思い切って経堂で快速急行を先に行かせて、小田急は遅れないようにするのですね。
まぁそのおかげで、世田谷代田〜登戸の各駅で多摩急行に乗って、新百合ヶ丘快速急行に乗り換えようとしている客には迷惑な話ですがww


さて、今回はその一環ですが遅れを取り戻すための裏ワザその2を紹介します。
これは夕方のラッシュ時の新百合ヶ丘駅の下り小田原方面ホームで、一番百合ヶ丘寄りから撮影した写真。
つまりは一番後ろで、写真の奥に向かって電車は走っていくことになります。

みなさんみた瞬間わかるかと思いますが、小田原線下り本線に各駅停車が入り、副本線に急行が入っています。
小田急新百合ヶ丘駅多摩線の分岐駅であると同時に、終日にわたり小田原線の列車の緩急接続を行う駅です。
普段は本線に速達列車が入り、副本線に鈍行が入ります。


なぜこんなことをするのか、そしてこれを行うと遅れが取り戻せるのか?


それは鈍行列車の進入によります。
この写真の前に副本線には準急(各駅停車)がいました。
この列車が本線を通過するロマンスカーと急行に抜かれた後、さらに各駅停車が来るのですが、その各駅停車は新百合ヶ丘で副本線に入り急行に抜かれます。
しかし、まだ準急が副本線に停車中のためそのままでは入れません。
そこでこの各駅停車を空いている本線ホームに入れてしまいます。
それと同時に副本線の準急を発車させます。


これが遅れを取り戻すからくりです。
副本線に入っている準急が発車するまで各駅停車が待つよりも、空いているホームに進入させて少しでも時間を稼ぐという技ですね。


こういった小技を"交互発着"などと呼んでいます。
この交互発着ですが、新百合ヶ丘みたいに本線のホームが二つある駅で、電車を空いているホームに入れるタイミングを交互に行うことにより時間短縮を図る技です。
有名なところではJR東日本中央線快速があります。
中央線快速の場合はこの交互発着は朝ラッシュ時の上りの中野駅新宿駅で行われています。
ただ、別の目的でこの技を使いますが、それは時間を短縮することによって電車の間隔を詰めることにあります。
その結果、電車の本数増便にも役に立っています。


そんな小技が光る小田急にしては珍しい光景です。