唯一の編成207系900番台の廃車がほぼ決定?

先ごろ松戸に所属となった、常磐線緩行線用の新型車両『E233-2000』の登場で、その去就が注目されていた『207系900番台』の廃車が濃厚となった。
6月2日付のNEWSで一斉に情報が解禁となったようだが、大方の予想通り207系900番台から廃車となるようだ。


【鉄道ファン必見】E233系がメトロ初登場 たった1両のレア車両207系は引退へ (産経ニュース)
E233系がメトロ初登場 たった1両のレア車両207系は引退へ(Yahoo鉄道業界ニュース)


207系国鉄末期の1986年に作られた試作車で、当時国鉄では珍しかった『VVVFインバータ』の制御試験車両として登場。
しかし、VVVFインバータそのものが高価で、結局量産には至らず203系のチョッパ制御の車両を使い続けることになる。
よって、JR東日本どころか、日本中探してもこの1編成しかないある意味貴重な存在。
当時はVVVFはすでに私鉄では結構な数が採用されており、1982年に熊本市電に日本初のVVVF車両が導入されてからすでに4年が経ってからの登場だった。
なお、JR東日本で正式な営業用量産車両としてのVVVF搭載車両は、209系(1993年登場)の登場を待たなければいけない。


結局203系の長期使用と千代田線という高加減速を要求される常磐線緩行線では、営団06系(1993年)、JR東日本は1999年の209系1000番台投入までVVVFインバータ制御は来なかった。
207系900番台はその高価な車体構造とレアな機器を搭載しているため、1編成という特殊な立場上保有機器もそろえるのが困難である。
そのため、整備側からすると保守が非常にやりづらい車両で、経年劣化では207系900番台より古い203系よりも早く消えることになるのではと思われたが、今回の報道で実際にそうなることがほぼ決定した。


元から1編成しか無いため、普段から出会える確率も低く、今後も沿線には最後の勇士を収めようとするファンが詰め掛けるだろう。
なお、Wikiへのリンクを貼っておきます。


国鉄⇒JR東日本207系900番台