関東はみ出し電車の旅w

はみ電・・・某テレビ局でそう呼んでいましたが、鉄道用語的には『扉締め切り扱い』と呼びます。
通称『ドアカット』と呼ばれる措置ですね。
諸所の事情によりホーム有効長が短いため、電車がはみ出して停車する駅において、ホーム以外の部分はドアが開かないようにする対応措置のことで、日本各地にはいくつかこういった駅が存在します。
とうことで、実家に行ったついでに近所であるいくつかの駅を訪問しました。

九品仏駅 東急大井町線

後1両ドアが開きません(大井町行き)
前1両ドアが開きません(溝の口方面)

大井町線九品仏駅です。
この駅は両側を踏み切りに挟まれているため、ホーム延伸ができず20n5両編成が主流となった現在の大井町線では4両分のホームしかありません。

まぁ、大体こんな構造の駅です。
下記写真の撮影位置と方向は上の図を参考にしてください。



【写真1】九品仏駅駅舎。
大井町線上下線にはさまれる形で存在する駅舎。
駅を出ると、踏切を渡らないといけないが、この部分は公道に架かる踏み切り。



【写真2、3】九品仏駅二子玉川側にある、車掌の駅ドア扱い仮説台。
車掌がここを使うのは、大井町方面行きのときだけなので、仮説台の二子玉川方面は柵がしてあります。



【写真4】実際に大井町行が到着して、車掌がドア扱いをしているところ。



【写真5】ドアが開いている部分と開いていない部分。


大井町線は開業時3000系の2〜3両での運転だったが、田園都市線開業後昭和40年代には東急の中型車両が多数配置されており、50年代には20m車両である8000形も大井町線の運用に入っていた。
中型車両は旧5000形が19m車体5両編成、旧6000形、7000形、7200形などが18m車体6両編成。
8000形移行の20m車体が5両編成。
20m車両はいまと同じく二子玉川より1両、19m車体も同じで、18m車体の6両編成が二子玉川より2両がドア締め切り扱いだった。
上記写真の3枚目で、車掌のテレビもにーターの位置よりもう少し仮設台が長いのに気がついたと思いますが、これは18m車体6両編成時代の名残なんです。
昔はもう一台テレビモニターがありました。


戸越公園駅 東急大井町線

前2両ドアが開きません(大井町行き)
後2両ドアが開きません(溝の口方面)

こちらも大井町線にある戸越公園駅
やはり両側を踏み切りにはさまれています。
20m車体の3両分のホーム長しかないので、2両がドア締め切り扱いとなってます。
駅構造はこんな感じ

戸越公園駅はカーブ上に位置する駅です。



【写真1】大井町方面駅舎



【写真2】溝の口方面駅舎
駅舎は方面別に分かれており、間違えて入ったら一度改札を出ないといけません。



【写真3】溝の口方面行き列車のみが車掌のドア扱いをしますので、溝の口方面の大井町よりに車掌の立つ仮設台があります。



【写真4】実際に溝の口行きがホームからはみ出しているところ。



【写真5】車掌のドア扱いをしているところ。
仮設台が長いのは九品仏と同じく18m車体6両編成時代の名残です。
やはり現在の位置より後ろにもう一台テレビモニターがありました。


戸越公園は18m車体ですと4両分の有効長がありますので、18m車体6両編成は2両が締め切りでしたが、旧5000形は19m車体だったので、ギリギリはみだしてしまうので、2両が締め切りでした。 
それと、最近ですがこの駅で締め切ってあるはずのドアが開いてしまうという事故が発生してます。
私はそれ以来、この駅ではドアに手を突かないようにしています。


梅屋敷駅 京浜急行本線

前2両ドアが開きません(浦賀方面)
後2両ドアが開きません(品川方面)

京急本線の梅屋敷駅
この駅も両側を踏み切りにはさまれています。
ホーム有効長さは18m車体4両分。

直線上にある駅でホームも直線です。
ただし、工事の関係でホーム幅は一部狭くなったりしています。



【写真1】普通新逗子行きが、ホームからはみ出している部分。




【写真2、3】梅屋敷駅舎。
現在京急蒲田駅付近連続立体交差事業の真っ最中で、既に高架になっている平和島駅と六郷土手の間の地平駅である『雑色』『京急蒲田』『梅屋敷』『大森町』の4駅が高架駅になる予定。
現在、地上を走る本線の真上に高架線を作る『直上高架式』という工事方式で進めている。




【写真4、5】品川行きのドア締め切り扱い。



【写真6】車掌の確認のための仮設台は品川方面にのみあり、京急蒲田側に存在する。


京急は1980年頃から普通列車の運用を800形中心にすると同時に、3両ユニットである800形を2本つなげて6両編成にして運行するようになった。
また1982年に中間者3両を組み入れた6両固定編成も登場。
そのため、このあたりから普通列車の6両編成が増えることになり、普通しか停車しない駅のホーム長を延長したがこの梅屋敷だけは踏み切りの関係で延長が出来なかった。
そのため、ドア締め切りにすることになった。
京急普通列車は昔は4両編成が基本だったが、梅屋敷は4両分はホーム長さがあるので、6両編成で運転するために発生した締め切り扱いである。
この梅屋敷駅に6両の普通列車が入るようになったのは1982年のダイヤ改正からであるため、比較的最近の出来事。
また、現在行っている高架工事が完了した場合、新しい梅屋敷駅は6両編成対応の長さのホームになるため、このドア締め切り扱いはなくなる。
よって見ることができるのはいまのうちである。


今回は関東の大手私鉄でしたが、機会があれば色々探索してみたいと思います。